これは、筆者のご近所のママから聞いた話です。孫の運動会で張り切って撮影を担当した私の父。しかし、帰宅後に映像を確認すると、まさかの事実が──?

孫の運動会に張り切る祖父

この日は、小学生の息子の運動会。
私の両親も応援に来てくれた。
なかでも父は、数日前から
「今年はじいちゃんがビデオ撮ったる!」
と張り切っていた。

しばらく触っていなかったビデオカメラを納戸から引っ張り出し、家で何度も操作を練習していたらしい。
当日はカメラを首に下げ、準備万端。
私が「ちゃんと撮れる?」と聞くと、「任せとけ!」と自信満々だった。

孫の姿を追い続けたカメラ

息子の学年のダンスが始まると、父はカメラを構えた。
児童たちは同じ体操服を着ており、遠くからでは見分けがつきにくい。

それでも父は「あそこにおる!」と一人の男の子を見つけ、ズームして撮影を始めた。
「おお、上手や!」「ちゃんと踊っとるな!」
父はカメラを回しながら、何度もうれしそうにつぶやいていた。

演技が終わると、「バッチリ撮れたで!」と満足げ。
私たちも映像を見るのを楽しみにしていた。

帰宅後の上映会で発覚した事実

運動会が終わり、家族で自宅に帰った。
さっそく父がビデオカメラをテレビにつなぎ、「ほら、よう撮れてるやろ!」と得意げに再生した。

確かに映像はブレも少なく、一人の男の子が大きく映っている。
しかし、画面を見ていたみんなが固まった。
そして、息子が不思議そうに首をかしげた。

「じいじ……これ誰?」
一瞬、部屋が静まり返った。

息子が「僕、こっちにはおらんかったで」と言うと、父は慌てて画面に顔を近づけた。
よく見ると、映っているのは息子とは別の男の子だった。

家族全員が笑ったまさかの結末

父は「えっ!? ずっとこの子やと思って撮ってたんやけど……」と困惑。
さらに映像からは、父の「上手や!」「頑張れ!」という声が何度も聞こえてくる。

知らない子を全力で応援していたことが分かり、家族は大爆笑。
息子まで「じいじ、俺よりこの子のファンやん!」と笑い出した。

父は「髪型も背格好も似とったんや!」と必死に弁解していたが、最後には自分でも笑っていた。
結局、息子のダンスは私のスマホに少しだけ映っていたので事なきを得た。
今でも家族が集まると話題になる、じいじの忘れられない撮影事件である。

【体験者:40代女性・主婦、回答時期:2026年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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