「病院へ行く奴は気持ちが弱い」が顧問の口癖だった
私がハンドボール部の主将を務めていた、高校3年生の春の話です。顧問は50代の男性で、口癖は「大会前に病院へ行く奴は気持ちが弱い。診断が出たら試合には出さない」でした。部員たちは、多少の痛みなら黙って練習するようになっていたのです。
予選まで1か月半、エースが足を引きずり始めた
インターハイ予選まで1か月半という時期に、2年生でエースのNくんが、走るたびにすねを気にし始めました。私が声をかけても、Nくんは「言ったら外されるんで」と笑ってごまかしたのです。
数日後、Nくんはダッシュの途中で足を引きずり始めましたが、それでも練習をやめようとはしませんでした。
休養日に整形外科へ、報告すると顧問は激怒
私は休養日にNくんを説得し、一緒に整形外科を受診しました。診断は、すねの骨に起きた疲労骨折の初期段階でした。医師からは「今休めば予選の後半に間に合う可能性がある。このまま走れば長引く」と説明を受けました。
翌日、私が報告すると、顧問は「勝手なことをするな」と激怒しました。しかし、医師が練習制限と復帰の目安を書いた書面が、保護者を通じて学校に届いたのです。書面を受けて、教頭が顧問と部員から話を聞くことになりました。
体調を申告できる部へ、Nくんは決勝トーナメントで復帰
顧問は、受診をためらわせる指導について学校から注意を受け、部には体調を申告するシートが導入されました。
Nくんは約1か月の安静の後、医師の許可を得て予選の決勝トーナメントから復帰しました。チームは県ベスト8に入り、顧問も以後は、痛みを訴えた部員にまず受診を勧めるようになったのです。
まとめ
痛みを申告すると外される部で、Nくんはすねの痛みを隠していました。それでも整形外科へ連れて行ったことで、ケガが長引く前に休ませることができ、部の決まりも変わりました。
「我慢が美徳」という空気に流されず、仲間の体を守るために動いたことが、チームを救ったと感じています。練習中に足を気にしている仲間がいたら、まずは声をかけ、一緒に受診を考えてみてください。
【体験者:20代・男性、回答時期:2026年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Qolyコラムニスト:Yutel_06


