東洋大は13日、東洋大朝霞キャンパス・サッカー場(埼玉県朝霞市)で練習を行った。
今月5日に、アカデミー時代を過ごしたJ2のV・ファーレン長崎へ来季からの加入が内定したMF鍋島暖歩(はるむ、4年、長崎U-18)が、同クラブ復帰の経緯や来季への意気込みを語った。
「感謝の気持ちをプレーで表現できたら…」
この日の練習では、15日午後2時から同サッカー場で行われる中央大との関東大学サッカーリーグ最終節に向けて、ミニゲームで細かい戦術の確認や、セットプレーの練習を行った。
鍋島は、この日の練習でも右足から繰り出される高精度のキックで持ち味を発揮した。
練習後、取材に応じてくれた東洋大の背番号7は「高校3年間、育ててもらったクラブに帰ることができて素直にうれしいです」と、古巣長崎への帰還をよろこんだ。
また同選手は、長崎加入内定の経緯について「去年の夏ぐらいから継続的にスカウトの方とコミュニケーションを取りながら、試合にも何度か観に来てもらっていました。今年の8月くらいに練習に参加して、(加入内定が)決まったという感じです」と説明した。

総理大臣杯決勝でコーナーキックを蹴る鍋島
長崎からプロ契約のオファーを受けた際、鍋島は「ホッとした」という。
「僕たち4年生にとっては、毎試合が就活みたいなものなので、進路が決まってホッとした気持ちと、いままで頑張ってきて良かったという気持ちが大きかったですね」
鍋島は正確無比なキックを武器に、東洋大の司令塔として君臨。セットプレーのキッカーも任されている。
今年9月に宮城県で開催された総理大臣杯では、決勝で東洋大を優勝に導く決勝点を挙げるなど、チームの中心選手として活躍した。
来季は長崎のサポーターに、成長した姿を見せたい。
東洋大の司令塔は「(僕は)ボランチなのでチャンスメイクのところだったり、長短のパスを生かしたゲームメイクを見てもらいたい。(長崎に)育ててもらったという部分もあるので、今後は感謝の気持ちを結果やプレーで表現できたらと思います」と意気込んだ。
プロ1年目からのブレイクを狙う鍋島だが、まずは15日に迫った中央大との関東大学サッカーリーグ最終節に集中している。
現在東洋大は12チーム中9位と低迷しており、最終節で勝てば自力で残留を決められるが、負ければ10位の慶應義塾大が東京国際大に勝利した場合、順位が入れ替わる。
10位に転落すれば、関東大学サッカーリーグ2部で3位のチームとのプレーオフを戦うことになる。
東洋大の背番号7は「まだ自力で残留を決められる立場にあるので、来年の後輩たちに関東1部という舞台を残せるように、しっかり勝って終わりたいと思います」とこぶしを握りしめた。
鍋島の最後まで役割を全うして勝利を目指す姿勢が、チームに受け継がれていくに違いない。
(取材・文・写真 縄手猟)
