[キリンチャレンジカップ2025、日本代表 3-0 ボリビア代表、11月18日、東京・国立競技場]
日本代表はボリビア代表と対戦し、ボランチで先発出場したMF鎌田大地(イングランド1部クリスタル・パレス)が、前半4分に左足ボレーシュートで先制点を奪取した。
この得点が決勝点となったサムライブルーは3-0で快勝し、年内ラストマッチを白星で終えた。
分析通りの形で決勝点奪取
前半4分に落ち着いてゴールに流し込んだ。
「チームとしてあそこが空くというのは、分析でもやっていた」(鎌田)と、右サイドをえぐったMF久保建英(スペイン1部レアル・ソシエダ)のクロスボールは放物線を描きながら、マイナスに走りこんでいた鎌田のもとへ。
「ボランチですけど、ああいうところに何回か入っていくことが大事だと思いますし、それでボールがきた1発目で(ゴールに)入れることができてすごく良かった。(味方が)深くドリブルで侵入できたときには、ペナルティスポットや後ろが空くというのはやっていました」と、胸トラップからの左足ボレーシュートで先制点を決めた。
鎌田のA代表通算12得点目でリードした日本代表。ボリビア代表からハイプレスを受ければ、ボランチの同選手が随所に顔を出してプレッシャーを回避した。
後半に入っても主導権を握ったサムライブルーは、同26分に右サイドの崩しからFW町野修斗(ドイツ1部ボルシアMG)が左足で追加点。
得点後には、同試合がA代表通算100試合目の指揮となった森保一監督にイレブンが駆け寄り、歓喜の輪を作った。

決勝点を奪った鎌田
「やっぱり(試合に)集中していたので…。全然頭になくて申し訳ないです。そういうことができたら良かったと思います」と自身のゴールで森保監督を祝福できなかったと、はにかみながら悔やんだ鎌田。
2019年3月にA代表デビューを果たし、同年同月に行われたキリンチャレンジカップ2019のボリビア代表戦(1○0)にも先発出場していた。
当時はワントップの位置だったが、いまはボランチやトップ下が主戦場。サムライブルーの主軸として公式戦47試合に出場している29歳は、来夏に迫ったFIFAワールドカップに向けたポジション争いに気を引き締めている。
「どこのポジションでも争いや、いい競争力はあると思います。いい選手がそろっていることは素晴らしいことだと思うので、自分が出たときにはしっかりといいプレーができればいいと思っています」
後半33分にはMF中村敬斗(フランス2部スタッド・ランス)がチームに3得点目をもたらし、試合はそのまま3-0で終了。鎌田のゴールが決勝点となり、日本代表は年内ラストマッチを勝利で終えた。
次回の代表活動は来年3月となる中、鎌田は所属クラブでのポジション争いに集中したいと強調。強豪ひしめくプレミアリーグで成長し、日本代表に還元したい。
「ワールドカップに出るようなチームと戦って出た課題を克服して、よりチームとしてはアジアの戦いから、世界との戦いにうまくアジャストできてきている。
そういう部分で、この難しい試合に勝てたことが自分たちにとって一つ大きなものになったと思います。まだまだ良くなれる部分もたくさんあるという実感もあるので、ワールドカップに向けて、もっと成長したい」
前回のボリビア戦から、一皮も二皮も向けた鎌田。「記憶に残るような仕事ができてすごく良かった」と、森保監督の記念すべき試合で結果を残した勢いそのままに、W杯に向けて駆け抜ける。
取材・文:浅野凜太郎
