ハイチ代表は、18日に北米ワールドカップ北中米カリブ予選最終節でニカラグア代表と対戦し、2-0で勝利した。

この結果、ハイチは1974年大会以来2度目となるワールドカップへの切符を獲得した。

だが、イギリスメディア『BBC』によると、チームを率いるフランス人指揮官セバスティアン・ミニェ監督は、就任から18カ月が経った現在もハイチに一度も足を踏み入れたことがないという。

国内の深刻な治安悪化により、同国代表のホーム戦はハイチから約800キロ離れたキュラソーで開催しているためだ。

2010年の大地震以降、ハイチでは武装勢力が首都ポルトープランスの大部分を支配し、130万人以上が避難生活を余儀なくされている。

飢餓の深刻化、拉致事件の多発、テロ行為や暴動などにより、各国は渡航危険情報を強めており、国際線の乗り入れも停止状態が続く。

ミニェ監督は「(現地入りは)危険すぎるので不可能です。私は普段、仕事をする国に住むのですが、ここではできません。もう国際線の着陸すらありません」と語っている。

前回のワールドカップではカメルーン代表のアシスタントコーチを務めていた同監督は、選手情報の収集もハイチサッカー協会の関係者から電話で得ることしかできないという。

現在の代表チームは多くの選手が国外でプレーしており、その中にはウルヴァーハンプトン・ワンダラーズMFジャン・リクネル・ベレガルドもいる。

また、ワールドカップに向けてサンダーランドFWウィルソン・イシドールら欧州出身のハイチにルーツを持つ選手の招集が期待されている。

それでも国内選手のプレーを代表チームスタッフが視察に行けない状況は、52年ぶりのワールドカップ出場を達成した同国にとって大きなディスアドバンテージとなる。

困難を抱えながらも前に進む彼らの姿は、世界中のサッカーファンに強いインパクトを与えるだろう。

筆者:江島耕太郎(編集部)

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