J2のカターレ富山は28日、企業ガバナンス強化の一環として、今年度第3四半期(2月~10月累計)の業績概要を発表した。

今季、11年ぶりとなるJ2昇格を果たした富山。FY(会計年度)2025第3四半期業績は、昨年同期比で大幅な増収増益を達成し、収益は+4.81億円(163%増)の12.41億円、営業損益は+2.87億円(308%増)となった。

増収の主因は、既存スポンサーの増額と新規獲得によるスポンサー収入の拡大、入場料の増加、ユニフォーム・グッズ販売の好調、会員数の急増、J2昇格による配分金増、移籍金収入の増加などで、主要項目が過去最高を更新した。

一方、費用も2.28億円(143%)増加。選手人数増と報酬アップによる人件費、入場者数増による試合運営コスト、積雪でのキャンプ延長費、会員増に伴う特典製作費、スポンサー関連費やチケット手数料、グッズ製作費、昇格による納付金、スタッフ増員による一般管理費などが押し上げ要因となった。

想定を上回る収益により、予算をほぼ全項目で超過し、強化育成やサービス向上などに約3500万円の追加投資を行う方針。ただ、夏の補強で多数の獲得候補に断られ予算が使い切れなかったことから、ブランド力向上が課題として残ったという。

敏腕で知られる株式会社カターレ富山の代表取締役社長、左伴繁雄氏は以下のように語る。

「唯一の心残りは、夏の補強で対象としていた多くの選手たちに断られ続け、補強分として確保していた予算を使いきれなかったことです。結果、追加投資を織り込んだ見込み損益は約+1億円と、予算値の+56百万円を大幅に超えてしまいました。カテゴリーが上がった中で移籍してくれた選手たちに感謝をしつつも、『お金はあっても選手に選ばれない』弊社ブランド力の脆弱さをあらためて突きつけられた思いでおります」

それでもチームは安達亮監督のもとで懸命に勝点を積み上げ、今週末の最終節までJ2残留の可能性を残した。

左伴社長は「11月29日(土)県総での最終戦は、今季総決算の大一番としてフルパワーで戦いますので、皆様の厚い応援をどうかよろしくお願い申し上げます」と語り、今季ホーム最終戦での熱い応援を呼び掛けている。

現在、18位と自動降格圏にあるカターレ富山(残留圏内の17位ロアッソ熊本とは勝点2差)。

運命のJ2最終節、ホームでのブラウブリッツ秋田戦は、29日(土)14時から富山県総合運動公園陸上競技場で行われる。

筆者:奥崎覚(編集部)

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