「誰が出てもそん色なくプレーができるかが大事」
今季の町田は天皇杯で初優勝を成し遂げ、リーグ戦では2年連続でトップ10以内に入るなど、J1昇格2年目のシーズンで堅実な成績を収めた。
夏場にリーグ戦8連勝を飾って優勝争いに絡んだ町田だが、シーズン終盤は勝ちきれない試合が続き、最後までタイトル争いで生き残れなかった。
失速の要因の一つに、ケガ人の続出が挙げられる。
特に最終ラインは、DF菊池流帆やDF岡村大八ら新加入選手でケガ人が続出し、シーズンを通して安定感を維持できなかった。

ケガ人が続出した中でも、町田を天皇杯初優勝に導いた黒田監督(写真 浅野凜太郎)
黒田監督も会見で「ケガ人が多く出たシーズンになりましたが、選手たちがよく奮闘して我慢をしてくれた。来季に向けて、強いて言えばケガをしない体づくりをもっとやっていかなきゃならないなと思います」と語っている。
中山も「(ケガへの)意識は当然ながら、まだまだ上げないといけない。それでもケガをすることは絶対にあるので、それをどうなくすか。ケガをする確率を減らしていくことが一番大事だと思うので、そこの意識だと思います。意識が変われば日常が変わるというところでは、本当にそこ(の意識)次第なのかなとは思いますね」と、ケガに対する意識改革を少しでもしていかなければならないと強調した。

コーナーキックを蹴る中山(写真 浅野凜太郎)
また町田の背番号19は、ケガ人が多かった今季を踏まえて、いま以上にチーム全員の成長が必要だと話す。
「僕らはほかのチームと違ってACLも含まれていて、いかに所属している選手で誰が出てもそん色なくプレーができるかが大事だと思います。やっぱり人間ですし、全部の試合に出られるかというとそうでもない。もちろん一人、一人がすべて戦えるような意識で取り組むことが大事だとは前提としてありますが、それをもっとすべての選手ができるようになり、かつ現実的に試合に絡んでくる人数も必然的に増えないといけない。町田はシーズンで見ても、(試合に)出ている選手の固定化がほかのチームと比べても顕著にあった。そこがケガ人だったり、あるいはケガ人がいなくともパフォーマンスを上げなくちゃいけないというところが課題なのかと思っています」
町田は9日午後7時からホームで韓国1部の蔚山HDとAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)第6節の試合を行う。年内最終戦を白星で飾りたい。
(取材・文 縄手猟、写真 浅野凜太郎)
