2025年のJリーグも全日程が終了。来シーズンからは「秋春制」への移行のため、現行のフォーマットでのシーズンはひとまず終了となる。優勝、降格、躍進、低迷…年末に訪れる悲喜こもごもの感情を味わえる最後の機会に、関西では京都サンガFCとヴィッセル神戸がサンガスタジアムで激突した。

それぞれが抱いた「悔しさ」

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記者会見場では吉田孝行監督、チョウ・キジェ監督の順に会見に望んだが、試合結果そして去就(退任/続投)もあって対照的な表情。吉田監督はシーズンについては、随所で「歯車」が嚙み合わなかったと振り返る。

具体的には「いつもいる場所」や「攻撃で裏を受けるタイミング」など指摘。リーグ戦5位天皇杯準優勝と、これまでのクラブ史から見ると“望外”の結果ではあるものの、一方で歯車がごまかせなくなった終盤戦の低迷を鑑みると、監督交代という決断にいたるひとつの区切りになった面は否めない。

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一方で、前2年の連覇も含め、確固たるベースが出来たと異口同音に語ったのはMIXゾーンで対応した選手たち。主将山川哲史をはじめ、扇原貴宏、酒井高徳、宮代大聖、佐々木大樹、前川黛也がそれぞれの言葉で紡いでいた。悔しさをもとに来年はチャレンジャーとして臨むといった姿勢には、ヴィッセル神戸というクラブがこれまでとは異なるステージに視座を持つことになった証左といえる。

それに至る「勝つことへの執着」を植え付け、Jリーグ連覇と天皇杯優勝をもたらした吉田孝行という存在は、クラブ中興の祖ともいえるかもしれない。

異口同音といえば、京都サンガもまた更なる高みに目を向けたシーズンと受け止めているようだ。

クラブ史上最高順位(3位)という確固たる実績にかかわらず、指揮官チョウ・キジェをはじめ、目を向けていたのは「無冠」という結果について。優勝を決めた鹿島アントラーズと対戦した35節での終了間際の痛恨の失点など、チャンスはあったことも踏まえての振り返りといえるだろう。

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特に昨年途中からの加入から京都サンガ躍進の象徴となっているエリアスは、シーズン途中に怪我で離脱したこともあり、来シーズンは更なる高みを目指すという。

ちなみにシーズンでのベストゴールは岡山戦での2ゴール目とのこと。インタビュー終了後には、報道陣に向けて感謝の言葉を並べるなど、好青年を絵にかいたような人柄は、来シーズンもサンガスタジアムでサポーターに歓喜を届けるだろう。

躍進と低迷という相対する立場で、それを反映するかのような試合だったが、両者ともに浮かび上がったのは「悔しい」という感情だったのが印象的だった今年最後の関西ダービー。

大阪の両雄ガンバ大阪&セレッソ大阪も含め、秋春制となる2026~27シーズンも、関西Jは要チェックや!

(取材・執筆:向山純平)

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