[J1昇格プレーオフ2025準決勝、ジェフユナイテッド千葉 4-3 RB大宮アルディージャ、12月7日、千葉・フクダ電子アリーナ]

千葉はJ1昇格プレーオフ(PO)準決勝でRB大宮アルディージャと対戦。

3得点を先取される絶望的な状況だったが、後半26分から同42分の間に4得点を奪い逆転し、2014年ぶりとなりJ1昇格PO決勝に進んだ。

この試合でプロデビューを果たし、値千金の同点弾を決めたMF姫野誠。17歳の大活躍を受けて、世間は『奇跡だ』と称賛したが、この日の勝利は日々の積み重ねのもとで生まれた必然だった。

逆転勝利は必然だった

試合後、同点弾を決めた姫野を報道陣が取り囲んだ。

この試合がプロデビュー戦となった姫野。千葉の下部組織出身で、今年10月16日にプロ契約締結が発表されたばかりの17歳だ。

ただ、17歳と言えども実力は折り紙つきで、今年11月に行われたFIFA U-17ワールドカップカタール2025では同世代の日本代表として活躍。推進力のあるドリブル突破と、どちらの足でも正確なキックを供給できる両利きの持ち主だ。

背番号37を背負う姫野は0-3で迎えた後半15分に途中投入されると、デビュー戦らしからぬ堂々としたプレーを大舞台で披露した。

画像: ゴールする直前の姫野(写真:縄手猟)

ゴールする直前の姫野(写真:縄手猟)

ファーストプレーで早速シュートを放つと、2-3で迎えた同38分には、DF米倉恒貴が出したワンタッチパスに反応。相手DF二人から猛追されるも、そのままボックス内に侵入して見事なループシュートを沈めた。

「このチームで、フクアリのスタジアムでプレーしたいっていうのはありました。ずっと目標としていた舞台だったので、そういう場所で得点を取れてすごくいい経験をしました」

チームの危機を救う値千金の同点弾を決めた姫野は、もちろんメディアから質問攻めにされ、手放しで称賛された。

画像: 同点弾を決めて雄叫びをあげた姫野(写真:縄手猟)

同点弾を決めて雄叫びをあげた姫野(写真:縄手猟)

しかし、その状況を予期していたかのように小林慶行(よしゆき)監督は事前に報道陣に釘を刺した。

「(姫野の)パフォーマンスとしては、アタッカーとして数字を出したのはすごいと思います。ですが、みなさんに一番お願いしたいのは、ピッチに立てば年齢とかは関係ないということ。『17歳だからすごいね』とか、そういうところで騒ぎすぎないでほしい。僕たちのシーズンは続いていますし、その中で浮かれすぎずにやっていきたい。そこは僕の方からもお願いしたいです」

勝利を告げるホイッスルが鳴った瞬間のガッツポーズも控え目だった小林監督。会見場では、勝利に導いた指揮官とは思えないほど淡々としていた。

一見すると、大一番で投入された17歳が奇跡を起こしたと思われるかもしれないが、指揮官の中では必然の勝利だったようだ。

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