今季、9年ぶりのJ2で「1年でのJ1復帰」を果たすことができなかった北海道コンサドーレ札幌。
その代表取締役社長を務める石水創氏は10日、クラブ公式サイトでメッセージを発信。1年でのJ1復帰という絶対目標を果たせなかったことを深く謝罪し、クラブを代表して責任を痛感していると述べた。
厳しいJ2の戦いにもかかわらず、27万4千人を超える来場者がスタジアムを支え続けてくれたことへの感謝を強調した石水氏。
今季は経営陣の刷新や監督交代など大きな転換期であり、新たなフットボールフィロソフィー『走る、闘う、規律を守る。その笑顔のために。』のもと再出発を図ったが、望む結果を残せず、クラブの在り方を根本から問い直す一年となったという。
また、札幌のフットボール部は、今季は岩政大樹監督のもと守備の再構築やハイプレス連動性の向上を目指したものの、主力の負傷やJ2特有の堅守速攻への対応不足から開幕4連敗。新戦力補強や8月の監督交代を経ても巻き返しきれず、無念の12位に終わったと1年を振り返った。
サッカーの“中身”については、ボール支配率が高かった一方で得点効率は低く、攻撃は個の能力に依存。守備も失点数がリーグワースト2位と改善には至らなかった。そうした中で、若手の西野奨太らの台頭は明るい材料となったという。
また、フィロソフィーの体現度も不十分で、練習姿勢や規律に統一感を欠いた点を反省。昇格を目指すチームとしての一体感が不足していたと総括した。
来季は、札幌での現役時代に『走る、闘う、規律を守る。その笑顔のために。』を体現してきた河合竜二氏を新GMに迎え、「闘える集団」への意識改革を徹底。
クラブ創設30周年を迎える2026年を、J1復帰への重要な準備期間と位置づけ、「フィロソフィーの徹底と基準の引き上げ」「選手育成と、スタッフを含めたチーム力の強化」「魅力的なフットボールを実現する戦術の浸透」の3点を重点強化し、地域とともに再び這い上がる決意を示した。
なお、札幌は来季に向けて、サガン鳥栖の元監督である川井健太氏と交渉中だと報じられている。
筆者:奥崎覚(編集部)
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