ベルギー1部のシント=トロイデンVV(STVV)は10日、2025-26シーズンの特別ユニフォームデザインを発表した。
日本代表のDF谷口彰悟やFW後藤啓介らを筆頭に、7人の日本人選手が所属するシント=トロイデン。今季は好調で、17節終了時点でユニオン・サン=ジロワーズに次ぐ2位につけている。
今回発表されたユニフォームは、12月21日(日)のメヘレン戦で着用予定。この試合は、半年前に脳卒中で倒れ、現在リハビリに励むダヴィド・メーケルス会長へ捧げられる特別な一戦となる。
Sint-Truidense VV 20025-26 Olympic Special

シント=トロイデン 2025-26 Olympic 特別ユニフォーム
ユニフォームのデザインに携わったクラブ広報のシモン・ハレット氏は、デザインに込めた想いを以下のように語っている。
「半年前、私たちの世界は一瞬止まってしまったかのように感じられました。会長の脳卒中は、すべてのSTVVファンにとって暗い瞬間でした。しかしこの数ヶ月で、周囲の支えと医療スタッフのおかげで、少しずつダヴィドの暮らしにも明るさが戻ってきました。
ユニフォームの黄色と青のアクセント、そして医療を象徴するシンボルは、その回復の過程を表しています。背面には心拍のラインが描かれており、それがシント=トロイデンの三つの塔のシルエットへとつながっています。
デザインが伝えるメッセージは明確です——STVVコミュニティ全体がダヴィド・ファミリーに寄り添っているということです」
今回の企画には、ユニフォームパートナーの企業も賛同。特別ユニフォームのテーマに合わせ、ロゴの色を青へ変更することを承諾したという。

選手たちは、この特別ユニフォームをメヘレン戦の1試合のみで着用する。ブランドマネージャーのバート・スタス氏は語る。
「12月21日は2025年最後のホームゲームとなり、スタジアムは“最も温かい場所(Het Warmste Nest)”となります。ダヴィド会長の奥様とお子様が当試合のキックインセレモニーを務め、試合前にはSTVVファミリー全員で温かい拍手をお届けします。スポーツの喜びをともに分かち合うことは素晴らしいことですが、必要なときにお互いを支えることも重要です」
また、マーチャンダイジング責任者のヤーノ・スティッペルマンス氏も「ユニフォームの収益は、会長がリハビリを続けているReva Herkの支援に充てられます。特別ユニフォームは本日より公式ファンショップおよびオンラインショップにて販売を開始します。また、試合で選手が着用したユニフォームは試合後にオンラインオークションを実施いたします」と述べた。

シント=トロイデンの特別ユニフォームは、12月10日より限定300枚で販売中。収益は、シント=トロイデン近郊のリハビリテーション施設「Reva Herk」に新設される機能訓練施設の建設支援に充てられる。
筆者:奥崎覚(編集部)
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