10月に行われたブラジル戦で歴史的初勝利を飾った日本代表。
中村敬斗は価値ある同点ゴールを決めたが、25歳のウィンガーはこの夏に移籍騒動があった。
昨シーズンはフランス1部リーグのスタッド・ランスで11ゴールと活躍したが、チームは2部に降格。
同僚だった伊東純也は古巣ヘントに移籍し、中村も移籍を志願した。
ただ、ランスが放出を拒んだことで厳しい状況に陥った。彼はプレシーズンの日本ツアーに帯同せず、2か月ほどチーム練習にも参加しなかった。
結局、中村はランスに残留することになったが、2部リーグでは11試合で7ゴールと圧巻の活躍を見せている。
その中村は、ランスの会見で、このような話をしていた。
「(2部でプレーすることで日本代表に選ばれないかもしれないという不安はあったか)
そうですね。リーグアンからリーグドゥに落ちてしまったことで責任はありましたけど、代表のことを考えると不安な部分はかなりありました。
こうやってチームが勝つことで個人の成績も伸びてきますし、代表側もそういったところをしっかり見てくれているかなと感じているので、今は特に心配はしていないです。
(日本ツアー不参加など今夏に起きたことを言える範囲で)
あまり細かくは言えないですけど、自分の精神状態的にあまりよくなかったのもありますし、2カ月間チームに合流できなかったのは、自分自身もつらかったですし、チームにも迷惑をかけてしまったのはありますけど、大事なのは今だと思うので。
こうやってチームに僕が帰ってきた時にみんな温かく受け入れてくれたことをすごく感謝していますし、いまチームのみんなとまた戦えていることを楽しめています」
移籍騒動で精神的に厳しい時期もあったが、それを乗り越えることができたようだ。
実際、9月は代表招集が見送られたが、10月と11月は招集され、ブラジル戦を含めて2ゴール1アシストと確かな結果を残した。
筆者:井上大輔(編集部)
