日本プロサッカー選手会(JPFA)が主催する『JPFAトライアウト』が17日と18日に大阪府内で開催され、今季契約満了を言い渡されたJリーガーたちがピッチ上でスカウトにアピールした。
J3奈良クラブを契約満了で退団したDF都並優太は17日の部に参加。
元日本代表で、現在はJFLブリオベッカ浦安のTOPチーム監督と育成アドバイザーを務める敏史さんを父に持つ同選手は、覚悟を持ってトライアウトに臨んだ。

ボールをコントロールする都並(写真:浅野凜太郎)
奈良クラブと出会った7年前
都並優太は自分の力で未来をつかみ取ろうと奮闘している。
J3奈良クラブを7シーズン目の今季限りで契約満了となり、17日のトライアウトに参加した33歳の都並。
「いまのサッカー界はそんなに甘くないし、若い選手でもレベルの高い選手がたくさん出てくる中で、自分が契約満了になったことを逆にポジティブに考えてみた。
自分がこういう機会で一人の選手として何ができるかを見てみたかったし、あぐらをかいていてオファーをもらえる年齢でもない。まずは自分が動けることを多くの方に見てもらうことで可能性が広がると思いました」とアピールに燃えた。

ロングボールを蹴る都並(写真:浅野凜太郎)
ピッチ上では率先して声を出し、急造チームをけん引。プレーでも衰えを感じさせないボールタッチとゲームメイクを披露し、まだまだ第一線でやれると証明した。
困難な状況にも関わらず、時おり冗談を交えながら取材に応じてくれた。トライアウト中も若手とベテラン関係なく笑顔で接する姿は、この状況を楽しんでいるようにも見えた。
「みんなとコミュニケーションを取れましたし、結構面白かった」と白い歯を見せた都並だが、若いころはトライアウトをポジティブに捉えられなかった。
2018年にJ3・AC長野パルセイロを契約満了になったときもトライアウトに参加。当時26歳だった都並は現役を続けられるかどうかの瀬戸際で不安を抱いていた。

奈良のユニフォーム一式でプレーした都並(写真:浅野凜太郎)
そんなときに当時JFLの奈良に出会った。
「カテゴリーを落とさなきゃいけないかもしれないという覚悟を持った中で入団を決断して、目標にしていた昇格も達成できた。
いろいろなことがありましたけど、7年間同じクラブですごく気持ち良くプレーさせていただいた感謝を胸に、次のステップを踏めるいい機会だと思って臨みました」と、ネガティブな印象を抱いていたトライアウトだったが、7年前に奈良と出会えたことでポジティブなイメージを持って再挑戦できた。
また、この日は奈良のユニフォームに身を包んで登場。
多くの選手がクラブのトレーニングウェアや市販の練習着を着てプレーする中、「たくさんお世話になったので、想いを背負ってプレーしたかった。シーズンの終盤はなかなか出られなかったし、最終節も出場できなかったので、このユニフォームを着て出たいと思いました」と奈良への感謝を口にした。
