ディフェンスに離脱者が相次ぐ日本代表のなかで台頭を見せている鈴木淳之介。
今年6月に代表デビューを果たした22歳の新鋭だ。
帝京大学可児高校時代は守備的MFだったが、湘南ベルマーレでセンターバックにコンバートされたことでブレイクした。
高校時代から左右両利きといえるほど高い足元の技術を誇り、上背は180センチほどながら抜群のフィジカルを武器に対人の強さを持つ。
10月のブラジル代表戦では神童エステヴァンを何度も止めて名を上げた。
その鈴木は今夏にデンマークの強豪コペンハーゲンへ移籍。チーム事情から全くの未経験だった右サイドバックとして起用されると、そのポジションでレギュラーを掴んだ。
デンマークリーグは今年の戦いが終了。『Tipsbladet』は、(前半戦時点の)リーグ最優秀右サイドバックの第4位に鈴木を指名していた。
鈴木が右サイドバックとして出場したのは、まだ11試合だけだが、すでにリーグ屈指の存在として評価されているようだ。
ただ、今シーズンのコペンハーゲンは、国内リーグで5位と低迷。18試合で8勝4分6敗、失点が26もある。また、UEFAチャンピオンズリーグでは6試合で2勝1分3敗ながら、クリーンシートはひとつもなく、計16失点と守備に課題がある。
そのため、『TV2』は、こうも指摘していた。
「コペンハーゲンの守備陣はどうやら秋の病に苦しんでいるようだ。春は強かったのだが、秋の彼らは惨めな状態にある。
通常、守備力が欧州におけるコペンハーゲンのトレードマークであるが、CLでは全ての試合で最低でも2失点を喫している。国内リーグでも5番目にいいというだけに過ぎない(実際には総失点数は6番目のはず)。
手短に言えば、ゴールを量産されている。日本代表選手である鈴木は、周りの多くのミスに対して完全に困惑している」
守備が崩壊しているチーム状況に鈴木も困惑していると同情しているようだ。
実際、昨シーズンのコペンハーゲンはプレーオフの末にリーグ優勝を飾ったが、失点数は上位6チームのなかで最小だった(32試合で33失点)。
筆者:井上大輔(編集部)
