来季のシーズン移行によってスカウト増加か

実際に、今回のトライアウトに参加した選手からは海外移籍を望む声も多く聞かれた。

J1柏レイソルを契約満了となり、18日の部に参加した21歳のFWオウイエ・ウイリアムもその一人だ。

「こんなところでは終われない。どのチームに行っても一年で絶対に活躍して、海外に行くという自分の夢があります」

また、J3奈良クラブを契約満了になった33歳のDF都並優太も「未知なチャレンジとしていい機会なので、(海外にも)行ってみたい」と、選手側も今回の取り組みに対してポジティブな意見だった。

画像: 紅白戦に出場したオウイエ・ウイリアム(中央左、写真:浅野凜太郎)

紅白戦に出場したオウイエ・ウイリアム(中央左、写真:浅野凜太郎)

来年2月から開幕する明治安田Jリーグ百年構想リーグを経て、同年8月からは欧州と同じく秋春制の2026-2027シーズンとなるJリーグ。

雪国地域の負担など、いくつかの課題も残されているが、欧州の移籍市場が開くタイミングでJリーグもシーズンオフを迎えるため、海外移籍を望む選手にとっては追い風になるだろう。

JPFAの関係者は、Jリーグがシーズンを移行する今回のタイミングで海外からのスカウトを増やせた意義を説明した。

「やっぱり海外のクラブとしては、シーズン中に選手を獲得するのは難しいみたいです。興味はあったとしても、予算をかけて日本まで来て、『誰もいい選手がいませんでした』は許されない。

でも、シーズンがオフになって編成に力を注げるタイミングになれば、日本の若い選手に声をかけて、練習生として二週間くらい参加してもらうこともできる。それはシーズン中だと、なかなかできないことだったと思います。だから、シーズンが移行して日本とヨーロッパのオフが一緒になったタイミングで、『ぜひトライアウトに来たい』という方も多かったので、今後さらに海外のクラブのスカウトは増えてくると思います」

画像: トライアウトの説明を聞く選手たち(写真:浅野凜太郎)

トライアウトの説明を聞く選手たち(写真:浅野凜太郎)

JPFAトライアウトに新たな価値が生まれ始めた。

これまでは、現役続行を目指す選手たちの最後の砦としての役割が大きく、選手たちの多くは同トライアウトに対してネガティブなイメージを抱いていた。

しかし今後は海外クラブへのアピールの場としても機能することで、より選手たちの未来を広げるポジティブな場になるかもしれない。

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