[第74回全日本大学サッカー選手権大会決勝ラウンド決勝、国士舘大 0-3 筑波大、12月27日、栃木・栃木県グリーンスタジアム]

筑波大は、全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)決勝ラウンドの決勝で国士舘大に3-0で勝利し、8大会ぶり10回目の大学日本一に輝いた。

MF山崎太新(たいしん、4年、横浜FCユース、J2大分トリニータ内定)主将は、シーズン前に中心選手が相次いで退部する難しい状況の中、チームをまとめ上げ、筑波大を大学サッカーの頂点に導いた。

画像: 得意のドリブルで相手ディフェンス陣を切り裂く山崎(写真中央 縄手猟)

得意のドリブルで相手ディフェンス陣を切り裂く山崎(写真中央 縄手猟)

驚きの主将就任も、インカレで“日本一のキャプテン”に

今季の筑波大は、J1名古屋グランパスMF加藤玄、J1横浜F・マリノスDF諏訪間幸成(すわま こうせい)、J2サガン鳥栖DF安藤寿岐(としき)ら現4年生世代の主力がシーズン開幕前までにプロ入り。さらに今年6月にはFW内野航太郎(デンマーク1部ブレンビー)が欧州挑戦を決断してチームを離れた。

当初、現4年生の間では加藤が新体制の主将に就任する見方が強かったが、相次ぐ中心選手のプロ入りにより、主将人事は白紙に。

現4年生世代で話し合いを重ねた末、最終的に山崎が自ら立候補した。

「(僕は)キャプテンキャラではないので、いままでは自分のプレーが良ければいいみたいな、そういう選手だったんですけど、3人が抜けてしまって、自分がいないと今年は勝てないと強く感じたところと、去年けがで1年間プレーできななかったところで、チームを勝たせるような活躍を自分がしたいという思いで、覚悟を持ってキャプテンに立候補させてもらいました」

普段は多くを語らない山崎の主将立候補に、周囲の選手は驚いたという。

MF小松悠太(4年、市立浦和高)は当時を回想し、「驚きましたよ(笑)」と笑顔を見せ、「最初はふざけているのかなと思ったんですけど、本当にその覚悟ができていました。太新が(主将を)やると言ってくれて、実際にそうなって、その覚悟が見えたことがうれしかったです。去年はキャプテンらしくはなかったんですが、今年はいい意味でまとめてくれて頼もしかったです」と同級生の覚悟と変化を称えた。

小井土正亮監督も「本来はキャプテンキャラではないんですけど、自分から立候補してチームを引っ張ってくれた」と、山崎の主将としての働きぶりに対して、感謝の言葉を口にした。

画像: インカレ優勝をよろこぶ筑波大イレブン(写真 縄手猟)

インカレ優勝をよろこぶ筑波大イレブン(写真 縄手猟)

筑波大の背番号10は「本当に自分自身、大学の4年間で今年1年間が、一番成長できたと感じています。いまはチーム全体を見るようになったし、チームが勝つために自分がどういう言葉をかけたらいいとか、どういう働きかけをしたらいいとか、人として大きく成長できた1年目だった」と、大学生活最後のシーズンを振り返った。

来季の大分加入が内定している山崎。主将を務めた1年で得た成長、インカレ優勝の経験を糧に、プロの舞台でさらなる飛躍を目指す。

(取材・文・写真 縄手猟)

This article is a sponsored article by
''.