因縁の相手と2回戦で再戦
選手権の舞台に立った福島は、終始落ち着いたプレーで北海を翻ろうした。
大津は前半4分に先制点を奪われたが、決して焦らずに後方から丁寧にパスをつないだ。主将はピッチ全体に顔を出して、攻撃を活性化。狭いエリアでも持ち前のテクニックでボールをコントロールした。
リードされながらも主導権を握り続けた大津は同23分、29分に得点を決めて逆転。さらに32分には相手選手が退場し、ここから一気に畳みかけた。
「先に失点をしてしまって硬い入りになってしまいましたが、相手の退場もあって前半のうちに逆転できた。そのまま最後まで得点を重ねることができて良かった」と、同37分に3得点目を奪取。
さらに後半15分には福島のコーナーキックから、DF松野秀亮(ひであき、3年、レノファ山口FC U-15)がヘディング弾。続く18分には福島がシュートを放ち、相手GKがはじいたこぼれ球を拾った味方から受け直した同選手が押し込んだ。

得点後に喜ぶ大津イレブン(写真:浅野凜太郎)
その後2得点を追加した大津は、7-1で北海を撃破。青森山田高が待つ2回戦に駒を進めたが、「得点に関してもお膳立てしてもらったみたいな感じですし、一発目で決め切られなかったのが悔しい」と、主将は1得点1アシストでも悔しさをにじませた。
31日の午後2時10分から行われる2回戦は、自身が大津高に憧れるきっかけにもなった、第100回大会の決勝戦と同じカードになった。
当時の試合を自宅から観戦していた福島は「いままでの先輩たちの想いはもちろん、同じプレミアリーグ勢として負けられないという自分たちのプライドも持って戦いたい」と気を吐いた。

守備でも体を張った福島(中央右、写真:浅野凜太郎)
卒業後は兵庫県の甲南大に進む福島。本大会で未来につながる活躍を披露し、「国内でプロになって、いつかは海外に挑戦したい」という自身の夢をかなえる。同期や先輩たちを超えると意気込んだ福島の挑戦は始まったばかりだ。
(取材・文・写真:浅野凜太郎)
