憧れの相手はライバルに
2回戦で勝利したとき、流通経済大柏と3回戦で対戦できる実感が湧かなかったと河野。ウォーミングアップのときには「やっとやれるんだ」と、同選手にとっては“憧れ”の相手だったが、自分たちの力を信じて戦った。
そして一瞬の隙を突いた。
前半22分にピッチ中央でパスを受けたMF染矢宏輝(3年、カティオーラFC U-15)がロングボールで一気に裏を狙った。これに反応したFW山下紫凰(しおう、2年、大分トリニータU-15)が相手DFを振り払いながらボックス内に侵入し、左足シュートを流し込み先制した。

先制点を決めた山下(右、写真:浅野凜太郎)
その後も「守備ではゴール前で体を投げ出してでも、絶対にやらせるなとチーム内で言っていました。きょうはこの1年間でそれが一番出せたし、全員で守れていた」と猛攻を受けるも、決死のクリアでゴールを許さなかった。
しかし徐々に流れを奪われた。
同33分に流通経済大柏の主将MF島谷義進(きしん、3年、FCフェルボール愛知、水戸ホーリーホック内定)にペナルティキック弾を沈められると、後半に同校の攻撃が爆発。立ち上がりの2分に逆転弾を許し、最終的に1-5で敗れた。

流通経済大柏の島谷(写真:浅野凜太郎)
試合後には大粒の涙を流した河野。もちろん悔しさは残るが、「本当に夢のような時間で、楽しいの一言」と後悔はない。
進学先の福岡大でプロ選手を目指す同選手にとっては、学びも大きかった。中盤でマッチアップした流通経済大柏高の主将である島谷に衝撃を受けたという。
「プロの基準を思い知らされました。一回でもいいから抜いてやろうと思っていましたが、何回も潰された。ボールをキープしてファウルをもらえたりとか、ちょっと自信もつきましたが、やっぱりプロ内定相手の高い強度の中では、まだやれないと分かった。
個人としてはこれからどんどん上を目指していく中で、このままじゃダメなんだなと。個人でも、チームとしても、勝たせられるような選手になりたいです」と意気込んだ。
憧れの相手は、ライバルに変わった。

応援席に挨拶する大分鶴崎イレブン(写真:浅野凜太郎)
河野は大学で成長し、いつか別の舞台で流通経済大柏イレブンの面々にリベンジを果たすと誓った。
(取材・文・写真:浅野凜太郎)
