[第104回全国高校サッカー選手権大会1回戦、尚志高(福島県代表)1-1(PK 8-9) 神村学園高(鹿児島県代表)、10日、東京・MUFGスタジアム(国立競技場)]

尚志高は、準決勝で神村学園高にPK戦の末に敗れて、初の選手権決勝進出を逃した。

この日、センターバックでフル出場したDF西村圭人(3年、アルビレックス新潟U-15)は、PK戦で10人目のキッカーを任されたが、右足で蹴ったボールは無情にもクロスバーを直撃。この瞬間、尚志高の準決勝敗退が決まった。

画像: パスを供給する西村(写真 浅野凜太郎)

パスを供給する西村(写真 浅野凜太郎)

PK失敗も「悔いはない」

今夏のインターハイ準決勝と同カードとなったこの一戦。尚志高イレブンは雪辱に燃えていた。

尚志高の仲村浩二監督は、「インターハイでは自分たちの狙い通りのことができなかった。その理由として、フィジカルのところと一対一の対人で完全にふさがれてしまった。走力のところも完全に相手の方が上だった。その後の食事に関しては、トレーニングとして食べるようにしました」と語り、敗戦後は身体づくりからチームを立て直してきた。

西村もインターハイでの神村学園高戦で当たり負けした悔しさを抱えていた選手の一人。今回の対戦では、身体を張った守備で幾度もピンチを救い、夏からの成長をピッチ上で示した。

「球際の部分での勝率は、インターハイに比べれば段違いに良かったんじゃないかなと思う。インターハイのときは、ずっと押し込まれる展開が続いて、自分たちのサッカーを今年で一番させてもらえなかった。そこから自分たちでああいった相手に対しても攻撃できるようにしようと、インターハイが終わってから取り組んできた。その中で試合をして、インターハイのときよりもチャンスをたくさんつくれたと思いますし、自分たちの成長を感じられる試合だったなと」

PKを外した瞬間、膝から崩れ落ちた西村の脳裏には、「3年間の高校サッカーが終わっちゃったんだな」という思いがよぎり、大粒の涙があふれた。

それでも尚志高の背番号3は、「思いっきり蹴った結果だったので、悔いはないです」と前を向いた。

画像: PKを外し、ピッチに崩れ落ちる西村(写真 浅野凜太郎)

PKを外し、ピッチに崩れ落ちる西村(写真 浅野凜太郎)

西村は小学5年のときに見た7年前の第97回大会で、ベスト4に進出した尚志高に憧れ、新潟U-15から高体連のチームへの進学を決断したという。

そして今回も、7年前と同じくベスト4の壁に阻まれた。

「あの97回大会の試合がなかったら、自分はこの高校に進んでいなかった。あのころと同じステージに立てた点は、本当にうれしいことだし、誇らしいことなんですけど、この壁は自分が想像するよりもはるかに高い壁だと思いました。この経験は、人生の中で本当に大きなものになると思います」

尚志高の主将にとって「決して順風満帆ではなかった」という高校3年間。それでも「この選手権という夢があったから、自分はここまで頑張ってこられた」と感謝の想いを口にした。

卒業後は地元の新潟に戻り、新潟医療福祉大へ進学する。選手権で味わった悔しさを糧に、地元の強豪校からプロ入りを目指す。

(取材・文 縄手猟 写真 浅野凜太郎)

This article is a sponsored article by
''.