「野球に対する覚悟をプレーで見せてほしい」と広島カープナインにエール

トークイベントでは、豪華サイン入りグッズをかけてのじゃんけん大会も行われた。左は書籍の編集を務めた井村尚嗣氏/筆者撮影
昨季74試合に出場し17盗塁を記録した羽月隆太郎選手が今年1月、指定薬物「エトミデート」(通称“ゾンビタバコ”)を使用したとして、医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕・起訴され、その後は契約の解除に発展した。
シーズン終盤の失速が響き、2年連続Bクラスに沈んだ古巣で起きた事件に驚いた様子の高橋さんは、新たなシーズンに挑む選手たちに「選手たちは、自分が野球をできている幸せをどのように考え、強い気持ちを持って死に物狂いで練習し、開幕を迎えられるか。『自分の人生をかけて野球に取り組めているのか?』を改めて考えながら、シーズンに臨んでほしい」と檄を飛ばした。

高橋さんは続けて、「ようやく結果が出始めた3年目(1978年)のシーズンに膝を負傷して、数週間休養した」という現役時代のエピソードを披露。
「医師に『もしかしたら野球ができなくなるかもしれない』と宣告され、それを聞かされた僕は、寮の暗い部屋で『野球ができなくなったら、生きている意味があるんだろうか?』と考えるほどに落ち込んで……。僕は色々思い悩んだ末に『後悔することがないように、毎日全力でプレーをしよう』という結論に辿り着いたんです。テーピングしながらもなんとか戦線に復帰して、痛みを感じながらも試合に出ていると、さらに野球を好きになり、結果もついてきた。膝を故障を抱えながらも翌年には33試合連続安打の日本記録を打ち立て、55盗塁を決められた」と、活躍の裏にある苦悩を明かした。
「カープの若い選手たちも、どれだけ野球に対する強い思いを持って、日々過ごせるのか。(好成績を収めるには)新井監督が覚悟を決めて鬼になり、死に物狂いで練習させるしかないと、僕は思っています。羽月選手の一件はありましたが、選手や首脳陣の皆さんには改めて自分たちの野球人生をもう一回見つめ直し、思いを体現するかのようなプレーを見せてもらいたいです」とエールを送った高橋慶彦さんのトークイベントは、大盛況で幕を下ろした。

『赤き球団の魂』 作:髙橋慶彦
出版社 : ザメディアジョン
発売日 : 2025/11/21
価格:¥1,760 (税込)

