今年のワールドカップ共催国であるメキシコで、治安や安全面が懸念される重大な事件が発生した。
メキシコメディア『El Informador』は22日、女子メキシコ1部のネカサ対ケレタロ戦が、アグアスカリエンテス州のエスタディオ・ヴィクトリアで開催中、後半開始直後に中断されたと報じた。
試合を審判がプレーを止め、選手やスタッフをロッカールームへ避難させたのは、スタジアム外で聞こえた「爆発音や銃声のような音」が原因だったという。
選手たちが走ってピッチから避難したが、試合は約15分ほどの中断後に再開され、ホームのネカサが2-1で勝利した。
この異音の背景として、アメリカメディア『Fox Sports』は、麻薬カルテル『CJNG』のリーダー、ネメシオ・オセゲラ・セルバンテス(通称エル・メンコ)の死亡が関連していると指摘した。
同メディアによると、エル・メンコは22日、連邦軍の作戦で負傷し、搬送中に死亡したとされ、これをきっかけにハリスコ州を中心に暴動が発生。車両の焼却、道路封鎖、銃撃戦が各地で相次ぎ、スポーツイベントにも影響を及ぼしたという。
他の試合も被害を受け、ハリスコ州で行われた女子リーグのチーバス対クラブ・アメリカ戦が治安悪化で延期。さらに、州当局は外出自粛を呼びかけ、タパティオ対トラスカラ戦も翌日に順延された。
メキシコは、麻薬カルテルとの激しい抗争が治安を悪化させているとして社会問題となっており、2011年にも銃撃戦の影響でサッカーの試合が中断となる事件があった。
一方で、リーグ側の公式見解は異なり、現地メディア『El Congresista』によると、女子リーガMXは銃撃戦を否定。「スタジアム外の車両による音だった」と説明し、安全確認後に試合を再開したと強調した。
州政府やリーグからは詳細な声明が出ていないが、SNSでは選手の避難動画が拡散され、国際的な関心を集めている。
ワールドカップでは、日本代表もチュニジア戦をメキシコのモンテレイで行うだけに、現地の安全面が心配になる出来事だ。
筆者:江島耕太郎(編集部)


