そんな同クラブが2026年、日本市場を強化すべく様々な動きを見せる。これまでもジャパニーズカルチャーに対するリスペクトからなるアプローチを取ってきた中、より具体的に行うアクションプランについて、アジア・パシフィック マネージングディレクターをつとめるセバスチャン・ヴァゼル氏(以下、セバスチャン氏)が、Qolyだけに大いに語ってくれた。
日本の様々な「コンテンツ」に注目
インタビューは2026年1月、都内ホテルの一室で実施。
PSGに携わるようになり16年目というセバスチャン氏。元々はパリオフィスにて国際開発部門に所属していたが、ネイマール(現サントス)とキリアン・エムバペ(現レアル・マドリー)が加入した2017-18シーズンに、「適切なタイミングだった」と判断し、アジアにオフィスを構えることを決断。シンガポールに本部を置き、合わせて東京と上海に事務所を設置している。
ーー本日はよろしくお願いします。PSGといえば、過去のジャパンイベントで、「キャプテン翼」作者の高橋陽一氏を招いてのドローイングイベントを実施し、選手たちがその様子に釘付けになるなど大きな話題になりました。以前より、日本文化やコンテンツに対する理解度が高いクラブという印象を持っています。
セバスチャン氏(以下略)
「これまでも『VERDY』や『NIGO』や『エヴァンゲリオン』などとコラボ実績がありますが、更なるシナジーを生み出したいです。ファッションやアートだけでなく、ガストロミーといった分野にも当てはまります。パリと東京、日本とフランスって共通点も多いですし、より深く探求していきたいですね」
ーー個人で注目している「コンテンツ」はありますか?
「先ほどもお伝えしたガストロミーといった食事面ですと、個人的に親しくしているシェフもいますし、さらなるシナジーを生み出せると考えています。あとはeスポーツも注目していますね」
ーー好きな日本料理はあります?
「寿司ですね!毎日食べたいくらいです。日本を離れても恋しくなるんですよ(笑)」
GWの東京・渋谷をジャック!~ICI C’EST PARIS LA MAISON TOKYO~
ーーここからはPSG HOUSE(ICI C’EST PARIS LA MAISON TOKYO)について教えてください。昨年末にカタールからスタートし、パリ・ロンドン・ニューヨークと世界各国での実施を計画し、日本では東京で5月に開かれます。ワールドカップ直前での開催時期も含め、あなたたちに何をもたらすと考えていますか?

「タイミング自体はそこまで意識してはないんです。元々このプロジェクトは、PSGが『パリ文化を体現しているクラブ』ということを、我々が注力している地域に伝えていくことを主眼に置いています」
ーーアジアでは東京と上海での開催を予定されています。日本が5月のGWとした目的は?
「その時期が日本人にとって、もっとも行きやすいからですね。我々は常に各マーケットにおいて、もっともアジャストできるタイミングを念頭に置いています。ICI C’EST PARIS LA MAISON TOKYOでは、『芸術』『音楽』『ガストロミー』『ファッション』などにおいて様々なコラボレーションを実施し、レジェンドやセレブリティの来場も予定しています。さらにイベントを通じた『社会貢献活動』も合わせて行います」
ーー「社会貢献活動(CSR)」とはどういったものでしょうか?
「我々にとってのCSRは、大半が子供たちを対象にしています。海外でツアーを行う際は、病院や孤児院の訪問を定期的に訪問しています」
希望は「フランスVSポルトガル」
ーー来たるFIFAワールドカップについて聞かせてください。あなたにとっては一個人としてもレ・ブルー(フランス代表)が最優先だと思いますが、他に注目しているポイントは。
「仰る通りでまずはフランス代表ですが、それ以外だとポルトガル代表にも注目していますよ。現在のPSGには多くの選手(ゴンサロ・ラモス、ヴィティーニャ、ヌーノ・メンデス、ジョアン・ネヴィス)が所属していますからね。なので、決勝はフランスVSポルトガルになってほしいです。(日本は?という問いに)日本もだね(笑)」
ーーセバスチャンさんにとって「フットボール」とはなんでしょう?
「私の全てです。情熱であり楽しみであり、フットボールを通じて、若い選手たちに教育やリスペクトを与えてくれるものですね」
大好物の寿司エピソードや、幼少期に見ていたという「キャプテン翼」との競演には興奮したなど、随所に親日家ぶりを見せてくれたセバスチャン氏。食文化など、より深い部分でのコラボは、サッカーファンならずとも期待が膨らむ。
日本文化に対する敬意と愛情は、日本サッカー界の発展にもどう繋がっていくのか、今後の動きを注目していきたい。
取材・執筆:向山純平


