日本サッカー協会(JFA)は8日、2026年から2031年までを対象とした中長期の指針として「JFA成長戦略 2026-2031 ~サッカーで未来をつくる~」を策定したと発表した。
少子高齢化や地域コミュニティーの希薄化、経済格差、地球環境問題など社会課題が深刻化するなか、サッカーの持つ社会的価値を最大限に活用し、日本サッカー界の持続的成長と社会貢献を両立させることを目指す。
JFAは2005年に『JFA2005年宣言』を掲げ、「2050年までに日本でFIFAワールドカップを開催し、日本代表が優勝する」「サッカーファミリー1000万人」を目標としてきた。今回の成長戦略は、その理念を引き継ぎつつ、変化する時代に対応する新たな指針として位置付けられる。
戦略のコンセプトは『サッカーで未来をつくる』。特に子どもたちがより良い環境でサッカーを楽しめる社会づくりを重視しており、サッカーを競技だけでなく、人と人をつなぎ、地域や社会を活性化させる存在へ進化させていく考えだ。
戦略では3つの“BIG GOAL”を設定。「競技面での成果」「女子サッカーの拡大」「社会的価値の創出」を柱とし、2031年には300億円規模の公益事業展開を目指す。男女のFIFAワールドカップやAFCアジアカップなど重要大会が続く期間でもあり、競技成果と事業成長の好循環を構築する狙いがある。
具体的には、「5つの柱」と「3つの梁」で構成される。5つの柱は、競技力向上とウェルビーイングを両立させる「Japan’s Way」、女子サッカー価値向上を目指す「女子全体戦略」、都道府県協会の基盤強化、パートナーシップ戦略、国際戦略。
一方で、それらを横断的に支える梁として、「組織・人財戦略」「DX戦略」「サステナビリティ戦略」を設定した。さらに、ガバナンスとコンプライアンス強化を戦略推進の土台と位置付けている。
宮本恒靖会長は以下のようにコメントし、社会課題とサッカーの役割について語った。
「日本は今、少子高齢化の進行に伴い、子どもの体力低下や運動習慣の喪失、地域コミュニティーの希薄化、健康寿命の確保など、さまざまな課題に直面しています。こうした社会環境の変化は、スポーツや地域活動の在り方にも大きな影響を与えています。こうした中で、サッカーは単なる競技を超え、人と人をつなぎ、心と体を元気にし、社会を前に進める力になることが期待されています。
公益法人である日本サッカー協会(JFA)は、『サッカーの価値を社会に広げていく統括団体として、サッカーを“見たい・したい”という人々の願いに応えるだけでなく、不特定多数の人々の幸せや、持続可能な社会の実現に貢献する』という使命を担っています。
サッカーは、『子どもの健全な成長と学びの場づくり』『高齢者を含む多世代の健康づくり』『男女共同参画や多様性の尊重』『地域の絆を深める場の創出』『災害時の支え合い』など、私たちの暮らしに根ざした多様な役割を果たすことができます。
また、全国で楽しまれているサッカーは、地域クラブやスタジアムを中心に、人々の誇りやつながりを育み、交流人口や関係人口を広げることで、地域の元気を支えています。さらに、世界で最も愛されるスポーツの一つであるサッカーは、国際大会や交流を通じて異文化を理解し合い、日本の魅力を世界に届ける懸け橋ともなります。
だからこそJFAは、競技の強化や普及にとどまらず、サッカーを社会課題解決のインフラとして活用し、未来にわたって愛される持続可能なスポーツ文化を築くため、成長戦略を描く必要があります。
この成長戦略は、JFAだけでなく、サッカー界全体の力を結集し、時代の変化に柔軟に対応しながら前に進むための共通の道しるべとなります。
サッカーを、暮らしに根づく文化として、そして社会を支えるインフラとして育んでいく——。この成長戦略は、その第一歩となります。」
「JFA成長戦略2026-2031~サッカーで未来をつくる~」(全45ページ)は、JFAの公式サイトにて誰でも閲覧することが可能となっている。
筆者:奥崎覚(編集部)
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