多くの人々を熱狂に巻き込んだ北中米W杯は、アルゼンチンを延長戦の末1-0で下したスペインの優勝で幕を下ろしたが、その熱狂も冷めやらぬ中、明治安田Jリーグの新シーズンが8月7日(金)に幕を開ける。
リーグは8月開幕へのシーズン移行という大きな節目を迎えるが、2025シーズンはスタジアムに1350万人が来場し過去最高を記録するなど、その裾野は着実に広がっている。
「Hello Friends! W!th LINEヤフー2026」では、その緻密なファンマーケティングの手法についてのトークセッションが行われ、多くのビジネスパーソンが熱心に耳を傾ける様子が印象的だった。

(C)JUN.S
登壇者のプロフィール(右から)
・公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)執行役員(マーケティング事業担当)
兼 マーケティング事業本部本部長 鈴木 章吾氏
・Jリーグ特任理事 小野 伸二氏
・LINEヤフー株式会社OA・MINIセールスSBUソリューション推進ユニット
ユニットリード 橋本 久嗣氏
コロナ禍からのV字回復で、過去最高の入場者数を実現

(C)筆者撮影
冒頭で鈴木氏は今年8月7日から8月開幕に移行するJリーグの現状について触れると、10クラブで開幕した1993年から2025年にかけての入場者数の推移を示しながら、リーグの現状について次のように語った。
「規模の拡大とともに、入場者数は上昇軌道を描いていましたが、(2020-2021年の)コロナ禍により、一時は大きく入場者数が落ち込んでしまいました。しかしそこからさまざまな策を講じてV字回復を果たし、昨年はこれまでの過去最高を更新する1350万人の方にご来場いただきました。クラブ全体の売上高も2,100億円を超えて過去最高を記録するなど、リーグとしても記念すべき1年になりました。現在は世界5大リーグに迫っていくようなタイミングに差し掛かっており、今後は年間売上が150~200億円を超えるようなクラブの登場を期待するフェーズに突入しています」
そして、今年8月に導入される新シーズン制の開始に伴い、Jリーグにもたらすさまざまな変化についても言及する。
「これまではACL(AFCチャンピオンズリーグ)を戦う際に、まだ新体制が始動したばかりの日本のチームが、万全なコンディションを整わない中で、シーズン真っ只中の諸外国のチームと試合をしなければいけなかったり、ヨーロッパの主要リーグとシーズンの開催時期がずれていることにより、選手の海外移籍が決まった際に、適切な移籍金が獲得しにくい状況がありました。しかし、シーズン移行によって、クラブのACLでの好成績や事業面でのさらなる好循環が期待できるのではないか。そのような狙いもあり、今回のシーズン移行に踏み切らせていただきました」
総合エンタメとして独自の進化を目指す

(C)主催者提供
さらに鈴木氏は、世界主要リーグの売り上げと観客数のグラフを背にしながら、Jリーグの近未来像についてこう続けた。
「頂点に君臨するイングランドのプレミアリーグを筆頭に、ドイツ、スペイン、イタリア、フランスがそこに続いています。Jリーグはこの『世界5大リーグ』に次ぐグループの筆頭格に位置していて。欧州のトップリーグに肩を並べることを、現実的な目標として掲げています」
そして2026年を「Jリーグにとっての変革の年」とする鈴木氏は、今後のプランについて次のように明かした。
「リーグがこれまで培ってきた安心で安全な観戦環境やサステナビリティ、そして『スタジアムグルメ』などの独自の文化は、これからも守り続けていきたいと思っています。
一方で、フットボールそのものの水準を高めたり、アーティストによるライブやスタジアムを彩るさまざまな演出で会場を盛り上げることによって、エンターテイメントとしての価値の向上にも繋げられたらと思っています。今後の私たちはそれらを生かしながら、世界の中で唯一無二のリーグとして成長し、存在感を示していきたいと思っています」
小野伸二氏とのフットゴルフも

(C)JUN.S
セッションの終盤に、大歓声に迎えられて登場した小野伸二氏(Jリーグ特任理事)は、「Jリーグとしても新しい試みだと思いますが、日頃からリーグを支えてくださる皆さんにこれらの取り組みを知っていただけたら嬉しいですし、これを機に多くのファンの皆さんと一緒にサッカー盛り上げていけたら嬉しいです」とイベントを総括した。

(C)JUN.S
セッションの終了後に、参加者とフットゴルフを楽しむ姿も。サッカー日本代表を支えたテクニシャンがボールを蹴るだけで、会場が沸き立つ様子が印象的だった。

(C)JUN.S
抽選で選ばれた参加者の皆さんは、小野氏とフットゴルフの3球対決に臨んだ。カップまでの距離は小野氏よりも短い「ハンディキャップ」が設けられていたが、それでも多くの視線が注がれる中で本番に臨んだ参加者の緊張した様子が印象的だった。
取材:JUN.S
