ワールドカップ開幕を目前に控えるなか、開催地ロサンゼルス(LA)でイラン代表の大会参加を巡る大規模な抗議活動が行われた。
イギリスメディア『ロイター通信』は現地時間11日、10日にロサンゼルス市庁舎前で開かれた集会で、イラン系アメリカ人や反体制活動家らがFIFAに対し、イラン代表を大会から除外するよう求めたと報じた。
参加者らは、イラン政府がサッカーを利用して人権問題から国際社会の目をそらそうとしていると主張している。
今回の抗議の背景には、1979年のイラン革命がある。同革命で親米派のパフラヴィー国王(シャー)が失脚し、最高指導者ルーホッラー・ホメイニ師を中心とするイスラム共和国体制が成立した。
その後、宗教指導者を頂点とする現在の政治体制が築かれ、革命防衛隊(IRGC)は体制維持の中核組織として大きな影響力を持つようになった。
近年は経済危機や政治的不満を背景に反政府デモが相次ぎ、特に2025年末から2026年初頭にかけて発生した大規模抗議運動では、多数の死者や拘束者が出たと報告されている。
国連や人権団体も治安部隊による強硬な弾圧に懸念を示しており、イラン国内では現在も緊張状態が続いている。
集会では元イラン代表選手らも演説し、アスガル・アディビ氏は「代表チームは体制の宣伝に利用されている」と訴えた。一方で、選手たち自身については「沈黙を強いられた被害者」と見る声と、「体制に協力している」とみる声に分かれているという。
なお、FIFAおよびイランサッカー協会は、現時点でコメントを出していない。
政治とスポーツの関係を巡る議論が続くなか、イラン代表を取り巻く問題は、ピッチ外でも今大会の大きな注目点となりそうだ。
筆者:江島耕太郎(編集部)
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