サッカーのW杯・北中米大会は14日(日本時間15日)、1次リーグF組の2試合が行われた。サッカー日本代表はオランダ代表と対戦。2度のリードを許すも追いついて、2対2で引き分け、勝点1を獲得した。

準優勝3回の強豪国と顔を合わせた日本代表の初戦を、ブラジルでプロ選手としてプレーした過去を持ち、『サッカーに詳しすぎる市議会議員』として知られる桐木優氏に、オランダ代表の考察と、チュニジア戦に向けた展望を語ってもらった。

両チームに見るワールドカップ初戦の戦い方

画像1: (C)Getty Images

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両チーム相手のことをよく研究し、「相手の良さを出させない試合展開だったのかな」と思います。リスクを最小限に抑えることを徹底し、カウンターを受けないことを最優先にしつつ、ボールの取られ方から攻撃の圧のかけ方まで、両チームともよく似た戦略を取っているような雰囲気を感じました。

オランダ代表は、両ワイドの個人技が優れているものの、中を通すパスが少なく、外一辺倒の攻撃を繰り返すためその怖さは半減。ただ、ピッチの中を通そうとしない分カウンターを受けるリスクも激減。。ピッチの中を通さないので、日本代表がカウンターを受けるリスクも激減しました。

最後はセットプレイで失点するなど、押し込まれる展開に改善の余地はありそうですが、それは結果論であり、2対1のリードを保ったまま、勝ち切る試合プランがチーム内で共有されていたのだろうと思います。

日本代表もボランチが中央に残り、ボールを失う時も決して入れ替わらない徹底したリスク管理が見られました。

攻撃面では、オランダ代表がリスクの少ない外側のボール回しを主体としたこともあってカウンターを仕掛ける場面はあまり見られませんでしたが、鎌田大地選手からの縦パスを中心に効率よくシュートまで展開していました。

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日本代表は相手のフレンキー・デヨング選手を徹底マーク。コーディ・ガクポ選手やセットプレーでのフィルヒル・ファンダイク選手に対しても2人がかりで抑え込み、まともにサッカーをさせませんでした。オランダ代表もまた日本代表のキーマンである久保選手をしっかり抑え、日本の良さを消しにかかりました。

ただ、それ以外の選手もまた優秀であったので、オランダ代表はヤン・ポール・ファンヘッケ選手の縦パスから、日本代表は谷口彰悟選手から伊東純也選手への縦パスなどでリズムをつかみ、結果として両チームとも2得点を挙げる結果となりました。

両チームともキーマンの選手を抑えられた時も他の選手が補い、ストロングポイントや特徴でないところからも強さを示してくれました。両チームのレベルの高さを感じさせられる試合だったと思います。

次戦以降に向けた展望と課題

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日本代表は両ワイドの守備力に課題を抱えていますが、攻撃力をもって守備面のマイナスをプラスに持っていくしかないと思うので、そのためにはもう少しトップにボールを収めて時間とスペースを作りたいところです。

オランダ戦のようにCBから直接トップを狙うのはボールが動くのに時間がかかりますし、DFに引っ掛かりやすくもなるので、ボランチあたりから前進できるようなボールの動かし方を工夫してほしい。

同じくオランダ戦では、ビルドアップでボランチが最終ラインに落ちるケースが多く見られましたが、そこからカウンターを受けたときに、ポジションに戻ろうとするせいか、安易に前に出てしまう場面も何度か確認されました。

ボランチを一つ前に配置すると、相手からのプレッシャーを強く受けることにはなりますが、ボールを前線に運びやすくなり、カウンター時の守備陣形も安定するので、結果としてリスクの軽減に繋がります。時に勇気をもってチャレンジしてもらいたいところです。

さすがにワールドカップですので、これからも難しい試合が続くと思いますが、必ずや予選突破を、そして、目標として公言している優勝を目指して、1試合1試合を確実に戦い抜いてほしいものです。

日本代表出場選手採点(2026年6月15日・北中米W杯/対オランダ代表戦)

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GK:鈴木彩艶(7.0) 
シュートストップといい、ロングフィードといい、能力の高さを見せつける。機能しない上田選手を狙い続けたけど、少しずらして、そらしてもらうようなフィードの工夫をしてもよかったような。

DF:谷口彰悟(6.5) 
集中を切らさずディフェンスラインを統率。後半はフィードでもチームにリズムを作った。

DF:渡辺剛(6.0)
ファウル気味とはいえ失点シーンに絡んでしまったのは残念だったが、前線まで駆け上がるなど攻守に奮闘。難しいが久保選手を戻さない守り方も工夫したいところだった。

DF:伊藤洋輝(6.5) 
鎌田選手が下りてくるので、サイドバックのように攻撃にも参加し、アイデアのあるプレイを見せた。守備でもスピード高さでチームに貢献。

MF:久保建英(5.0)
得点を演出したが、ボールを受けることすらさせて貰えず。攻撃で魅せる回数は限られ、逆に相手の狙いどころにまでされていた。全員で守る代表のサッカー戦術は、クラブとはまた違う難しさがあるのだと思う。

MF:堂安律(5.5)
守備に追われてチームに尽くしたものの、途中で力尽きた印象。役割と特徴がいまいち一致してない状況でも、非凡なものはしっかり見せつけてくれた。

MF:前田大然(5.5)
豊富な運動量とダッシュでチームに貢献。ただ、攻撃の選手であるにもかかわらず攻撃面でミスが多く、守備でも勘が外れたときにチームにとって大きな穴となってしまうこともあった。

MF:中村敬斗(6.0)
得点は見事の一言。守備で相手選手に翻弄され、失点のきっかけになってしまったのは残念だけど、相手が一枚上手だった。

MF:鎌田大地(6.0)
後方からチームをコントロール。センスは抜群だが、今日はファーストプレイがうまくいかなかった影響か、あまり調子に乗れてない感じだった。もうひとつ前でボールを捌く回数が増えてもいいと思う。終了間際の集中を切らしたプレイは、体力的な課題だろうか。

MF:佐野海舟(6.0)
攻撃で縦パスを入れるなどの効果的な展開を見せられる場面は少なかったが、中央で粘り強く守り続ける。相手カウンターへの対応がいまいちなときがあったのは反省点。

FW:上田綺世(4.5)
ボールが収まらず、外にはけるので、シュートエリアに侵入することもあまりできなかった。ファウル気味のチャージを受け続けて不運にも見えたが、逃げずに勝負できる実力を兼ね備えているはず。

【途中交代選手】

MF:伊東純也(6.5) 
途中出場ながらボールが収まり、裏抜けでもチームに貢献。もう少しシュートの意識があってもよかったかも…。

DF:冨安健洋(6.5) 
後半途中からの出場ということもあると思うけど、それまで堂安選手と久保選手の2人がかりで止めていたガクポ選手を、見事一人でシャットアウト。おかげで菅原選手を前に押し出すことができた。

FW:小川航基(6.0) 
記録として自身のゴールとはならなかったものの、見事なヘディング。短い出場時間でも自分の特徴を生かした。

DF:菅原由勢(6.5) 
精度の高いセンタリングだけでなく、意外と高さでも負けていなかった。シュート外した時には、悔しがってないで早く戻ってほしい。

FW:塩貝健人(5.0) 
頑張って走ってはいたがあまり機能せず。短い出場時間なので、守備でももっとがんがんプレッシャーかけてみてもよかったと思うけど、入れ替わらないように意識していたのかな。

森保一監督(6.5) 
格上のオランダ代表相手に選手交代でリズムを取り返した。けが人続出の中でチームとして最高のパフォーマンスを演出した。

画像: 日本代表出場選手採点(2026年6月15日・北中米W杯/対オランダ代表戦)

〈桐木優・プロフィール〉
1977年静岡県生まれ。韮山高校を卒業後、単身ブラジルにサッカー修行に渡り、無事にプロ契約を勝ち取るも、試合中に後ろからカニバサミを喰らって、泣く泣く引退に追い込まれる。
日本でのサラリーマン生活を経て、介護会社を起業。その後は現場の声を政治に届けるために一念発起し、2011年の多摩市議会議員選挙に初当選を果たした。

自身のホームページに何気なく掲載した「東京ヴェルディ観戦記」が注目を集め、『サッカーに詳しすぎる市議会議員』として知られるように。近年は幅広く社会保障全般に携わる『肩書きの多すぎる市議会議員』としても存在感を示している。

主な資格・職業は、多摩市議会議員の他に、ケアマネジャー、相談支援専門員、保育士、社労士、行政書士、宅建士、管理業務主任者、公認心理師、はり灸マッサージ師、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、サッカーC級コーチ、サッカー3級審判員等

執筆:桐木優
写真:Getty Images、本人提供

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