現在、3人の日本人選手を擁しているザンクト・パウリ。しかし、2部リーグに降格したこの夏以降、その3人がそろって所属し続ける可能性は高くないようだ。
ドイツメディアの『mopo.de』によれば、2部への降格を喫してしまったザンクト・パウリは、今夏に大きなチームの再編が行われる可能性が高いという。すでに複数の主力選手がクラブを離れており、その流れは日本人選手にも及ぶとのこと。
ザンクト・パウリには現在、MF藤田譲瑠チマ、DF安藤智哉、FW原大智の3人が所属している。ブンデスリーガにおける“ジャパン・ブーム”の中、日本人選手を積極的に獲得してきたクラブのひとつである。
この3人はいずれも2部リーグでも有効になる契約を結んでいるとされるが、その立場は大きく異なっている。
このなかで最も退団の可能性が高いと見られているのが藤田譲瑠チマだ。24歳の彼はワールドカップのメンバーにこそ選ばれなかったものの、日本代表のメンバーとしてもコンスタントにプレーしており、ザンクト・パウリ加入後に中盤の主力として評価を高めていた。
その豊富な運動量、ボール奪取能力、展開力を兼ね備えた“中盤のダイナモ”として存在感を示し、すでにブンデスリーガのクラブからも関心を集めているという。現時点で具体的なオファーは届いていないとされるが、選手側もクラブ側も、今後正式な打診があると見ているようだ。
藤田は今週木曜日から再開されるクラブのトレーニングには姿を見せる予定であり、新シーズンに向けてプロフェッショナルとして全力で取り組むことは間違いない。しかし、移籍市場が閉まる9月1日の時点でなおザンクト・パウリに残っている可能性は低いと見られている。市場価値は1000万ユーロ(およそ19億円)前後ともされており、クラブ史上最高額での放出になる可能性もある。
一方、残留の可能性が高いとされるのが安藤智哉だ。彼は今冬にアビスパ福岡からフリーで加入。まだ外国語をほとんど話せないというハンディを抱えながらも、ブンデスリーガで即座にインパクトを残した。
加入当初から自信に満ちたプレーを見せ、後半戦でレギュラーの座を確保。的確な判断力、空中戦の強さ、落ち着いた守備対応により、ヨーロッパのトップレベルでも通用する実力を証明したと現地で評価されている。
当然、今後他クラブから関心が届く可能性はある。しかし、地元紙の情報によれば、安藤本人はわずか半年でチームを離れる意思は持っていないという。住んでいる街とクラブに満足しており、ザンクト・パウリ側も来季の守備の柱として計算しているようだ。
そして、最も立場が難しいのが原大智だ。1月下旬に京都サンガF.C.からフリーで加入した191cmの大型ストライカーで、前線の得点力不足を補う存在として期待された。
しかし、ブンデスリーガでの出場はわずか4試合、いずれも途中出場であった。また、現地では「もっと自己主張を強める必要がある」との見方もあるようで、より積極的に自分の存在を示すことが求められているという。
彼が来季2部でチャンスを得られるのか、それとも別の道を探ることになるのか。クラブがどこまで我慢し、本人がどこまで変化を見せられるかが焦点になりそうだ。
筆者:石井彰(編集部)
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