北中米ワールドカップで採用された48か国制を巡り、かつて名古屋グランパスを率いたカルロス・ケイロス監督が、その大会方式を痛烈に批判した。
アメリカメディア『ESPN』は現地時間28日、ガーナ代表を率いるケイロス監督が、クロアチア戦後の会見で大会拡大について「ワールドカップは希少だからこそ価値がある」と持論を展開したと報じた。
さらに同監督は「出場国が増えれば、この大会は下品で平凡な大会になってしまう恐れがある」と厳しい言葉を投げかけた。
ガーナはクロアチアに1-2で敗れたものの、成績上位の3位チームとして決勝トーナメント進出を決定。従来の32か国制であれば敗退となっていた状況だったが、それでもケイロス監督は48か国制への懸念を隠さなかった。
さらに同監督は、大会拡大の背景には商業的な事情があるとの見方も示し、「今はお金が全てを動かしている。これはフットボールではない。マネーボールだ」と強烈に批判。「お金が発言力を持ち始めると、ピッチ上での意思決定も変わってしまう」と危機感をあらわにした。
また、試合数増加による選手への負担や、各大陸予選の価値低下にも言及。「ヨーロッパでもアフリカでも、多くの国が本大会に出られるようになれば、予選の意味や重要性は薄れてしまう」と指摘し、ワールドカップのブランド価値そのものが損なわれる可能性を訴えた。
一方で、48か国制ではカーボベルデやコンゴ民主共和国など複数の国が史上初の決勝トーナメント進出を果たしており、新興国に門戸が広がったことを評価する声もある。
大会の価値を守るべきか、それとも世界的な普及を優先すべきか。ケイロス監督の発言は、48か国制を巡る議論を改めて活発化させそうだ。
筆者:江島耕太郎
画像提供:Getty Images
