イスラエル代表との対戦を巡る議論が、アイルランドサッカー界で大きな岐路を迎えている。
イギリスの公共放送『BBC』は現地時間2日、アイルランドサッカー協会(FAI)は今秋のUEFAネーションズリーグで予定されるイスラエル戦をボイコットした場合、「アイルランドサッカーに重大かつ長期的な損害をもたらす」とする文書を加盟団体へ提示したと報じた。
FAIは、試合を拒否すればUEFAの懲戒処分により勝ち点6の剥奪や収入減、大会からの除外に加え、将来的なワールドカップやEURO予選への影響も懸念されると説明。
経済的損失は最大1030万ユーロ(約19億円)に達し、育成年代や地域サッカーへの投資縮小につながる可能性があると試算している。
また理事会は「試合を拒否してもイスラエルのUEFA参加資格が変わる兆候はない」とも主張した。加盟団体の10%以上が反対したことで7月8日に臨時総会が開催されるが、その採決に法的拘束力はないという。
なお、両試合は中立地開催となり、イスラエルのホーム戦はハンガリー、アイルランドのホーム戦はセルビアで無観客試合として実施される予定だ。
この問題を巡ってはSNSでも賛否が真っ二つに分かれている。「スポーツより人道問題を優先すべきで全面ボイコットすべきだ」という意見が支持を集める一方、「FAIは財政面の現実を考えざるを得ない」「中立地開催による損失も考慮すべきだ」と現実路線を支持する声も目立った。
また、「最悪のシナリオだけを強調している」とFAIの試算に疑問を投げかける投稿も少なくない。
スポーツと政治・人道問題の境界が改めて問われるなか、アイルランドサッカー界がどのような結論を導き出すのか、その判断は欧州サッカー全体にも小さくない影響を与えそうだ。
筆者:江島耕太郎(編集部)
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