2026年ワールドカップにおいて、最も賛否が分かれる変更点の一つが「ハイドレーションブレイク(給水のための休憩時間)」の義務化だ。
FIFA(国際サッカー連盟)は今大会でこのルールを導入。屋外の酷暑であろうと、空調の効いた屋内スタジアムであろうと関係なく、すべての試合において前半と後半に一度ずつ、選手が水分を補給し、体を冷やして回復するための時間を設けることを義務付けた。
しかし、ファンの反応は今ひとつだ。屋内会場で行われる試合中、一部のサポーターからはこの中断に対してブーイングが飛び、「エアコンの効いたスタジアムで、なぜ冷却休憩が必要なのか」と疑問の声が上がっていた。その理由について、『latimes』が解説を行っている。
しかし医学の専門家によれば、今回のワールドカップは1930年の第1回大会以来最も暑い大会となっており、かなり過酷な状況にあるとのこと。FIFAはこのルールを特定のスタジアムや一試合のためだけに作っているのではなく、全世界的に危険さを増す夏の気象条件への対策として打ち出しているそうだ。
そして屋内で冷房が効いたドームでもハイドレーションブレイクが設けられる理由について、ジャンニ・インファンティーノ会長は「もし暑い試合だけで給水タイムを導入すれば、一部のチームや監督だけが戦術的な指示を送る時間を追加で得ることになり、不公平が生じる」と説明している。
一律に休憩を設けることで、すべてのチームのすべての試合に同じ構造を与えて試合を行うことを重視しているのだ。
また、世界最高の大会で給水タイムが「当たり前」になれば、医療体制が不十分で熱中症のリスクがより高いユース、アマチュア、地域の草サッカー、下部リーグなどでも受け入れられやすくなる。屋内でのハイドレーションブレイクには、そうした象徴的な意味があるとのこと。
屋内でのハイドレーションブレイクが必要になっている理由としては、FIFAがルールの整合性を求めるとともに、明確なメッセージを送りたがっていることがあげられるようだ。
筆者:石井彰(編集部)
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