アウェイ往復1万4000km!世界屈指の超長距離対決

ロシアのSKAハバロフスクは、中国や北朝鮮に近いユーラシア大陸の極東部に位置する。そして、一方のバルチカ・カリーニングラードは、ポーランドとリトアニアに挟まれたロシアの飛び地を本拠とするクラブ。

同じ国のリーグに所属しているが、その距離はとんでもない。両クラブが同じカテゴリーに所属すると、往復で1万4500kmの遠征が発生していた。そして、ロシアリーグのクラブの大半はモスクワ付近にあるため、SKAハバロフスクはシーズンで地球約3周分を移動することもあるという。

人違いで「代表監督」に就任しかけた男

2010年、ユース年代を指導していたアンドリュー・アマーズ=モリソンは、セーシェルへ休暇に出かけた。そこで突然、驚くべきオファーを受ける。「セーシェル代表監督になってほしい」と。本人も驚いたが、喜んで受諾した。

ただし、セーシェルサッカー連盟には大きな勘違いがあった。彼らが招聘したかったのは、元マンチェスター・シティ選手のアンディ・モリソンだったのである。

そして、記者が本物のアンディ・モリソンへ代表チームについて問い合わせたことで間違いが発覚。連盟は責任をとってアマーズ=モリソンに「半年間だけチャンスを与える」という異例の決定を下したものの、最終的には契約を撤回している。

ちなみに本物のアンディ・モリソンはその後実際に指導者となり、スリランカ代表などを率いている。

バルセロナ、アウェイゲームへ「ヘリ3機」で移動

スペイン2部に所属するADセウタは、スペインのクラブでありながら本拠地は北アフリカにあるスペイン領セウタに置く。この地域には空港がないため、通常はスペイン南部アルヘシラスからフェリーで向かうことになる。

そして、2023年のコパ・デル・レイでバルセロナがセウタとのアウェイゲームを引き当てた際、クラブはより確実な方法を選択。選手団を3機のヘリコプターに分乗させたのである。

さらにセウタはリーグ戦でFCアンドラとも対戦。なんと「アフリカ大陸にあるスペインリーグ所属クラブ」と「アンドラ公国にあるスペインリーグ所属クラブ」が戦うという、不思議なカードまで成立した。

最終ホームゲームは観客が「リス」になる

人口わずか8万人ほどの小国アンドラには、とても奇妙なサポーター文化がある。UEサンタ・コロマの愛称は「Esquirols」。カタルーニャ語で「リス」という意味である。

そこでサポーターたちは、シーズン最後のホームゲームになるとリスの着ぐるみを着てスタジアムへ集まる。これはクラブがあるサンタ・コロマ周辺にリスが多いことから生まれた伝統だという。

軍隊に入ったらプロサッカー選手になれる?

韓国には、世界でもかなり特殊なクラブがある。それは金泉尚武FCだ。韓国では男性に兵役義務があり、プロサッカー選手も例外ではない。

そこで誕生したのが、韓国国軍体育部隊に属する尚武のサッカーチーム。毎年プロ選手を受け入れ、選手たちは約18か月の兵役期間をプロサッカーを続けながら過ごす。そのため選手の保有権を持つわけではなく、毎年メンバーが大きく入れ替わる。

金泉尚武は2024年、2025年とKリーグ1で3位に入るほどの強さを見せたが、軍クラブという特殊な立場から、AFCのクラブ大会には出場できない。国内で好成績を収めてもアジアへ行けないという、世界的にも珍しいクラブである。

「2シーズンで3か国のリーグ王者」になったクラブ

スーダンの名門アル・ヒラルは近年、サッカー史でも珍しい道を歩んだ。内戦の影響によって国内でリーグ戦を開催できなくなり、ライバルのアル・メリーフとともに2024-25シーズンはおよそ4800km離れたモーリタニアリーグへ参加した。

そこでアル・ヒラルは首位。ただし招待クラブだったため、正式なリーグ王者はFCヌアディブとなり、アル・ヒラルは「名誉王者」とされた。

その後スーダンへ戻り、国際大会出場クラブを決める短期大会「エリートリーグ」で優勝。さらに2025-26シーズンにはルワンダの国内リーグに参加し、そこでも首位に立った。わずか2シーズンでモーリタニア、スーダン、ルワンダの3か国で頂点に立つという、通常なら絶対に起こり得ない記録を達成している。

モアイ像の横で「イースター島代表」がコロコロと対戦

画像: (C)Getty Images

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モアイ像の存在によって世界で最も有名になっている絶海の孤島の一つ、イースター島。チリの国内カップ「コパ・チレ」では、遠隔地のチームにも出場機会を与える試みが行われてきた。

2009年には、「ラパ・ヌイ」と呼ばれるイースター島選抜がチリ屈指の名門コロコロをホームへ迎えた。なんとピッチのすぐ近くには、あの有名なモアイ像が鎮座していた。

試合前には選手たちがポリネシアの伝統的なウォーダンスを披露し、コロコロと対戦した。試合は0-4で敗れたものの、その光景は世界でも類を見ないものだった。

また2024年には、さらに沖合にあるロビンソン・クルーソー島のフアン・フェルナンデス選抜がコパ・チリへ参戦。その対戦相手サンティアゴ・ワンダラーズは通常の航空便だけでは選手団を運べず、チリ海軍の補給艦まで利用して島へ向かったという。

フアン・フェルナンデスの選手たちは普段それぞれ別の仕事を持ち、ロブスター漁のため練習を欠席する選手までいた。それでもプロクラブを相手に1-2まで追い詰めるなど健闘した。

筆者:石井彰(編集部)
画像提供:Getty Images

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