Grenoble
0
0-1
0-0
1
Le Mans
得点者
29'


ベエ(PK)


1部からの降格組でありながらも開幕から苦戦を続ける両チームの対戦は、アウェイに乗り込んだル・マンが制した。グルノーブルはこれで勝ち点3のままとなり、最下位に沈むこととなった。

今季ル・マンはここまで4試合で1勝2分1敗と、昇格を狙う立場としてはやや厳しい結果になってはいたが、確固たる戦術を組み立て、自らの出来ることと出来ないことをわきまえた「謙虚なサッカー」をしていた。4+4のブロックを形成してしっかり守り、トップに早く縦パスを当てる。あるいはサイドのスペースにウイングが飛び出して仕掛け、クロスを入れる。カウンターを強く意識した戦術だ。そのために長身で足元が柔らかく楔になれるFWと、ドリブルが出来るサイドハーフ、クロスが上手いサイドバックが起用されている。

ル・マンは前半の29分にキュフォーのドリブル突破からPKを奪って先制すると、落ち着いたボールキープで相手のプレスをかわし、戦術通りの攻め方でジャブを繰り出して時間を進めていった。中盤の技術が高くないため何度か危険なミスはあったが、相手の攻めの稚拙さにも助けられて1点のリードを守りきることに成功した。

対してグルノーブルに対しては、「傲慢なサッカー」という印象を持たざるを得なかった。ピッチを広く使うことも、決定的なスルーパスを通すことも出来ないボールポゼッション。動き出しの乏しさから来るパスコースの欠如。戦術面でも、前半の20分過ぎから何度かラヴェがカウンター気味に仕掛けてチャンスを生み出したにも関わらず、後半にはすっかりポゼッションに戻ってしまい、攻撃の形を作れなくなっていた。この可能性が感じられない攻めに、ゴール裏のファンは80分を過ぎると帰宅の途に着き始めてしまい、「INDEX GO HOME」と書かれたオーナー企業を批判する段幕すらもすっかり片付けられていた。 ドリブル突破が上手いラヴェや、高さとスピードを兼ね備えるドス・レイス、クロスの精度が高いマンフロワなどのタレントはいるが、全くそれらの選手の個性が生きていない。システムに当てはめたのみで、選手一人一人が得意でないことを求められコンセプトの犠牲になっている。バズダレヴィッチ監督はリーグアンではポゼッションサッカーを使用して戦ったことで知られるが、4年前、2部3位で昇格を果たしたときには、ただただサイドバックからポストプレイの上手いFWアクルールに放り込むだけの超現実的サッカーを行っていたのだ。もう一度その頃を思い出し、謙虚に自分たちの出来ること、出来ないことを見つめ直すべきだ。


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