・今後はウイングからの転向者が増える

前述したように、現代のサイドバックには何よりも「攻撃力」が求められている。そのため、近年はウイングからサイドバックへとコンバートされるプレーヤーが増加しているのだ。

具体例としては、左サイドハーフからコンバートされ、2010年の南アフリカW杯で一躍注目を集めたファビオ・コエントランとジョルディ・アルバ、ジョゼ・モウリーニョの元でメキメキと成長したマルセロ、右サイドハーフからコンバートされイタリア代表とミランで主軸を担うイニャーツィオ・アバーテなどが挙げられるが、今後もこのウイングからの転向者は増えていくだろう。

事実、左サイドハーフから転向したダヴィド・アラバ(バイエルン)、ロレンソ・メルガレホ(ベンフィカ)、トップ下から転向したケヴィン・コンスタン(ミラン)などがコンバート後にブレイクを果たしている。個人的には、エセキエル・スケロット(インテル)、ファン・クアドラード(フィオレンティーナ)が次の転向者になると睨んでいるが、ジャンルカ・ザンブロッタ(元イタリア代表)のようにサッカーファンをアッと驚かせるようなコンバートにも期待したい。

また、「3バックブーム」がサイドバックに与える影響も検討に値するだろう。

セリエAを中心に「3バック」が流行の兆しを見せているが、「3バック」においては"サイドバック"は存在しなくなり、"ウイングバック"へと名称が変化する。「3バック」におけるウイングバックにはサイドバック以上に運動量やスタミナ、機動力が求められる半面、持ち前の攻撃センスを十二分に発揮できるというメリットがある。

「3バック」の代表格であるユヴェントスでは、インサイドハーフを主戦場とするクワドォー・アサモアが左ウイングバックへとコンバートされ、新境地を拓いているが、今後「3バック」が世界中に普及した時に、どのようなタイプのウイングバックが「第一人者」となっているか大変興味深い。

サイドバック、ウイングバックのこれからに注目しながら、残り少なくなってきた欧州各国のリーグ戦、群雄割拠のJリーグを楽しみにしたいと思う。

2013/4/28 ロッシ

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