グループリーグは2周り目に突入。ここからは以前の試合を踏まえて、悪かったところの修正、コンディションの維持など、様々なポイントで1戦目よりも総合力が求められることになる。今日の第1戦目は、まさに前の試合の内容を踏まえて修正が必要なチーム同士の対戦といえた。
Mali
Algeria
共に開幕戦では非常に内容が悪く、特に守備面での稚拙なプレーが目に付いたマリとアルジェリア。やはりこの試合に向けてお互いに守備に手を入れてきたことが窺える立ち上がりであった。
キックオフ直後、先に仕掛けていったのはマリであった。前のような怠惰なプレーはなく、前線からある程度プレスをし、最終ラインもしっかりと押し上げて間延びさせない。これが彼らが施した修正だった。そして開始直後にセイドゥ・ケイタのフリーキックから、10分にはカウンターからエンディアイェがドリブルで決定的なチャンスを生み出した。
しかし15分が過ぎる頃になると、アルジェリアは混乱から抜け出すことに成功する。アルジェリアもマリ以上に守備に手を入れていた。というより、むしろ「この試合は守備で戦う」というコンセプトで望んでいたのである。人数をかけてコンパクトな守備ブロックを形成。マークを徹底してしっかりと人に付いていく。ボールを奪ったらサイドを執拗に狙い、ディアッラ、シソッコという中盤の強力な防波堤と正面からぶつからないように攻撃を組み立てる。守備の修正だけでなく、マリ対策も十分に盛り込んできていたのだ。
持ち直したアルジェリアはここから試合の主導権を握り、カウンターでマリの両サイドを崩しにかかった。そして43分、ベザズがスマレのファウルを誘いセットプレーを得ると、ジアニのフリーキックをハリシェがヘディング、先制点を奪取したのである。
対してマリは、ただ「守備を良くしただけ」であった。それがアルジェリアとの差である。守備は良くなっていたが、攻撃では相変わらず後方で時間をかけるだけの繋ぎが多く、前線はサポート不足で一人一人の距離が長いため、良い連携を作りにくい。しかもアンゴラ戦と違い1点差だったこともあり、なりふり構わずパワープレーに出ることもなく、結局最後までアルジェリアの守備を崩すことはできなかった。
試合はアルジェリアが1点のリードを守って勝利。修正のみならず、相手に合わせた対策まで盛り込むことが出来ていたことが、勝ち点3に繋がったといえるだろう。
ところで、私はこの試合を見て、マリがどうしてこれほどまでに自分たちの強みを生かせないのか、なんとなく理解した。何故わざわざ個人能力の高いフォワードに託さず、後方で無駄に繋ぎ、連携ミスを続けて弱みを見せるのか。
それは、チームの中で突出した「選手としての格」を持つディアッラがボランチにいるからなのではないか。放り込めばいい場面でも、ディアッラがボールを貰いに来たら、「格」が落ちる選手はどうしてもパスを出してしまう。しかも周囲に技術レベルが著しく劣る選手がいるため、ミスが生まれやすい。4点差になったアンゴラ戦ではパワープレーをし、1点差だったこの試合でそれをしなかったことも、これで説明がつくのではないか。どうしようもない理由がない限り、突出したタレントがいる中盤を捨てるようなプレーを選択することは難しいのである。
マリ 0-1 アルジェリア

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