第6日目はトーゴが棄権したグループBの試合が行われる。3チームの参加であるため、1節に1試合だけの開催となっている。しかし、今日の1試合はグループリーグ中でも屈指の好カード。しかも1チーム2試合だけしか戦わないため、勝ち負けが非常に大きな意味を持つのだ。
Cote d'Ivoire
Ghana
共に優勝候補の強豪チーム。この試合で勝利した方は決勝トーナメント進出が決まる。特に、既に1試合を戦い引き分けで終えているコートジボワールは絶対に負けられない立場であった。グループBの決勝戦ともいえる状況。両チームは共にかなり慎重な立ち上がりを見せる。守備を固め、前線にロングボールを入れたり、ロングシュートやセットプレーで攻撃。相手の動きを伺っていた。
先にディフェンスラインからの攻撃参加を見せたのはガーナであった。インクームが右サイドからドリブルで持ち上がり、バイタルエリアまで進入しパスを送る。それをオポクがシュートに持ち込んだが、なんと味方に当たって弾かれてしまったのだ。
ガーナの不運は続いた。このプレーを防いだコートジボワールがそのまま攻撃に持ち込むと、ヤヤ・トゥーレのスルーパスに右サイドからカルーが飛び出して中央へ折り返し、ジェルヴィーニョが合わせてゴールに決めたのだ。鮮やかなカウンターが成功し、先制点はコートジボワールに生まれたのである。
攻めなければならない立場となったガーナは、より中盤やサイドバックが攻撃参加を狙い始める。エブエを狙ってオポクが執拗に突破を仕掛け、得点を狙った。ところが展開はガーナの方へ転ばず。原因はコートジボワールの総合力の高さと、ガーナの最終ラインの弱さである。
コートジボワールはドログバ、カルーなどの攻撃のスター選手がいるが、むしろ強みはポゼッション能力や守備力にある。ミスなくボールを繋いで保持することができ、しかも前線のタレントを生かしてカウンターも上手く、さらに組織的かつ献身的に守れる。つまり、他のアフリカ諸国と比べて、「チームとしての総合力」が高いのだ。
ガーナは攻めてはいたが、コートジボワールの安定したポジショニングにより押し込むことが出来ず、カウンターで押し返されてしまう。前線の個人能力は極めて高く、特にオポクはエブエを翻弄していたが、チームとして試合の主導権を得るに至らなかったのである。煮え切らない展開に、ガーナはハーフタイムにギャン、そして怪我を抱えているエッシェンを投入、勝負を賭けた。
すると55分、コートジボワールの右サイドバック、エブエがオポクに対して後方から激しいタックルを見舞い、これに主審がレッドカードを提示したのである。オポクは遂にエブエを退場にまで追い込んだのだ。
コートジボワールにとって1人少なくなることは致命的だった。前線からの守備力とポゼッション力で試合の主導権を握っていたが、人数が少なくなったとき、大きな打撃を受けるのはまさにその二つである。案の定、守備時に引かざるを得なくなり、ボールを持つ時間も短くなったコートジボワール。遂に流れがガーナに向いてきたかに思われた。
ところが、この日のガーナは本当に運に見放されていた。67分にセットプレーを与えると、ティエネに直接フリーキックを決められてしまったのである。1人少ない相手に、流れとは関係なく得点を与えてしまったのだ。そして2点のリードを持ってコートジボワールは完全に守りに入る。オポクに対しても守備的なエメルス・ファエを投入して対処した。
逆にガーナは終盤になって攻め疲れ、運動量を落とし、徐々に可能性を失っていった。そして90分、ケイタのドリブルを止められず守備が崩壊。ドログバのヘディングで3失点目を許して万事休す。ロスタイムにボーナスのようなペナルティキックをもらって1点を返したが、時既に遅し、であった。
コートジボワール 3-1 ガーナ

【厳選Qoly】東南アジア最強を決める三菱電機カップで日本出身選手が躍動!活躍する日本出身の5選手を紹介