第2試合目は、決勝トーナメント進出に王手をかけているエジプトとモザンビークの1戦。第1節を見る限り好調のエジプトと、基本的に技術レベルが劣るモザンビークでは、ほぼ勝負は決まったようなものだといわれても不思議ではなかった。
Egypt
Mozambique
ところが試合は、意外にもモザンビークのペースで始まる。対人マークを徹底し、集中力を高く保ち、積極的にインターセプトを狙う守備。カウンターで素早く縦に進出しフィニッシュを狙う攻撃。流れは明らかにモザンビークのものだった。
それはもちろん、エジプトのパフォーマンスがあまりに悪かったからでもあった。第1節とは違い4バックを採用したエジプトは、一人一人の動き出しが鈍い上、3人目の動きがなく、全く効果的にボールを回せていなかった。タッチライン際にボールを運んでも、サイドバックとサイドハーフの関係だけで、周囲のサポートがなく、しっかりマークされてしまう。連携力を武器にするエジプトにとって、これは致命的だった。結果、エジプトはらしくないロングボールや、止まった味方にただ預けるだけのパスを連発。
モザンビークの決定力が低く、また最終ラインのラインコントロールやマークミスが多かったため、エジプトは失点に至らず。逆に決定的なチャンスを作ってもみせたが、ハッサン・シェハタ監督がずっとピッチ脇で不機嫌な表情を浮かべるほど、エジプトの出来は芳しくなかった。
だが、エジプトはハーフタイム終了後にようやく目を覚ますことに成功する。鍵は、各個人の動き出しを早くしたことと、アハメド・ハッサンをトップ下に移したことだった。両サイドの縦の動きが活性化し、サイドバックとサイドハーフの連携にアハメド・ハッサンが絡むことで攻撃に幅が出るようになった。
そして後半開始から僅か2分、エジプトは先制点を手にする。右サイドのスペースに飛び出したファティが低いクロスを入れると、ニアサイドでシトエがクリアを試みるも触れず、後逸。それに反応できなかったカンの足に当たり、ボールはモザンビークゴールの中に転がったのだ。不運にもカンは2試合連続のオウンゴールである。
この得点は大きな意味を持った。今日はあまり良くない日だと感じていたのか、あるいはモザンビークの攻撃なら必ず守れると踏んだのか、エジプトはこの1点を守りに入ったのである。守備に人数をかけて、カウンターを狙ったのだ。
結果的にこれは功を奏した。モザンビークは個人のパワーやスピードはあるのだが、精度が低くあまりボールが繋がらない。しかもラインコントロールに弱く、オフサイドトラップも効果的。最終ラインもミスが多く安定していない。よって、自陣のスペースを潰せば失点することは無く、敵陣にスペースを作らせれば得点することができる。
そしてその通り、エジプトはピンチらしいピンチもあまりなく、81分にカウンターからアハメド・ハッサンの縦パスをゲドが鮮やかな反転シュートで追加点。このゴールで勝負は決し、エジプトがグループリーグ突破を決めた。
エジプト 2-0 モザンビーク

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