大会10日目はグループBの最終節。トーゴの棄権で1試合が中止となっているため、コートジボワールは休み。行われるのはガーナとブルキナファソの1戦だ。
Burkinafaso
Ghana
コートジボワールが勝ち点4で既に決勝トーナメント進出を決めており、残る椅子は1つ。ガーナが勝ち点0、ブルキナファソが勝ち点1という状況のため、前者は必ず勝利する必要があり、後者は引き分け以上であれば突破が確定する。
ガーナは、キャプテンであり大黒柱であるエッシェンを大会絶望の怪我で欠き、さらには多くの負傷者を抱えており、チームの状態は決して良くはなかった。とは言えども、ブルキナファソと比べれば地力に勝る。勝利の必要性も相まって、アサモアをボランチに入れる攻撃的な布陣でこの試合に臨んだ。
対するブルキナファソは、引き分けで良いと言うこともあって完全に守備から試合を組み立てた。引き気味の位置にコンパクトなブロックを形成し、組織的なプレッシングで相手の攻撃を抑える。ボールを奪えばピトロイパの強烈なドリブル突破に賭け、カウンターを狙う。
このぶつかり合いは、序盤はブルキナファソの方に風が吹く展開となった。人数をかけ、切り替えを速くし、出来るだけボールホルダーを数人で囲んでいくブルキナファソの組織力は、ガボンやザンビアを上回るクオリティを持つ安定感のあるディフェンスであった。一般的に戦術を浸透させにくいアフリカの中堅国において、ここまでチームを作り上げたパウロ・ドゥアルテ監督の手腕は大したものだ。
ところが、先制点をあげたのは、30分まであまり攻撃を作り出せなかったガーナであった。アサモアが蹴ったフリーキックを、ブルキナファソのGKディアキテがパンチング。そのこぼれ球を拾って、サルペイが再びペナルティエリアに蹴りこむ。これをアンドレ・アイェウがヘディング、ゴールに流し込んだのだ。
ブルキナファソは引き分けでいいこともあって前半は焦らずに戦術を崩さず、ピトロイパのスピードに全てを託した。そして後半になって反撃を開始、64分過ぎにはケレーのフリーキックからユスフ・コネが、さらに交代出場のバリマとのパス交換からピトロイパが決定的なシュートを放ち、得点に近づいた。
しかしそれから間もない66分、競り合いの際にタルがギャンの顔に肘を当て、これに主審がイエローカードを提示。16分に1枚目のカードを貰っていたタルは退場となってしまったのである。
この退場はブルキナファソに大きな影を落とした。自慢の守備は、攻撃せねばならない焦りと、10人になったことによるスペースの増加、さらには運動量の減少によって崩壊。頼みのピトロイパも負担の大きさから足が止まった。
そして、最後はガーナが遊びを交えながらカウンターを仕掛け、ブルキナファソはそれをかろうじて防ぐだけの展開になり、試合はそのまま終了。ガーナが1点差での勝利を得て決勝トーナメント進出を決めた。
ブルキナファソは結局2試合で1点も取れず敗退となったが、バラつきがある選手の力量を、出場国中トップクラスの組織力で補った好チームだった。結果だけを見れば彼らは見るべきところの無いチームであったが、こういうチームがあったことは必ず記憶に留めておきたいところだ。
ブルキナファソ 0-1 ガーナ

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