ベスト8最後の試合には、決勝トーナメントに進んだ中で最も実績のない国、ザンビアが登場。優勝候補のナイジェリアにどこまで対抗できるかが注目される試合だ。
Nigeria
Zambia
力の差がある対戦のため、やはりナイジェリアがボールを支配する展開となった。しかし、おそらくこれはザンビアの狙い通り。攻めに人数をかけない、逆にいえばボールを保持して組み立てることを得意としていないナイジェリアに、苦手なことをさせようとしたのだ。とはいえ、前半の終わりごろまではザンビアはほぼ耐える展開だったが、各人の頑張りとキーパーのムウェーネの好守によって失点を免れたことで、試合の展開が向いてきた。
徐々にナイジェリアの攻めに慣れてきたことで、徐々に守るポイントを前に上げることが可能となる。豊富な運動量と組織的な守備、そしてモチベーションの高さを感じさせる攻守の切り替えの速さを武器に、徐々に中盤を支配していく。戦術上、ナイジェリアは個人がボールを持つ時間が長い。それを狙って素早く多人数で囲み、タフなマークでボールを奪い、カウンターに結びつけていったのだ。
そして、後半はほぼザンビアが一方的に主導権を握る展開となった。献身的な守備の足が止まることはなく、ひたむきなプレーでナイジェリアに何もさせず、自らはチャンスを創出。特にセットプレーではナイジェリアのマークが不安定で、決定的なチャンスを何度も生み出した。
しかし、後半45分で得点を奪えず、試合は延長戦へ突入する。ナイジェリアは疲弊したところを狙ってきたか、最終ラインを一気に上げて得点を狙うも、ザンビアは運動量を落とさず、むしろ押し返してみせた。延長後半に入ったところでナイジェリアのディフェンダー、アパムが2枚目の警告で退場すると、さらにザンビアがペースを握った。結論を言えば、ザンビアは明らかに勝利に値する試合をしたのである。しかし、得点だけが取れなかった。そしてこの事実は結果に大きく響いてしまった。
0-0で試合が終了したため、決着はPK戦に委ねられる事となった。ザンビアの先攻で始まり、シヴダ、ミケル、C・カトンゴ、マルティンス、マユカ、オビンナとお互いに3人目まで順調に決めていった。しかしザンビアの4人目、ニレンダはボールを2度置き直すなど明らかに緊張度が高く、案の定甘いコースに蹴ってしまい、キーパーにセーブされてしまったのだ。結局この後の3人はすべて成功させ、5本すべてを決めたナイジェリアが準決勝進出を決めたのであった。
ザンビアにとってはあまりにも悔しい敗戦である。素晴らしい戦いをし試合をほとんど支配しながらも、決定力の無さに泣いたのだ。チームだけでなく、「ファッショナブル」と言われたイケメン監督エーヴル・ルノルが大会を去るのも、なんとも寂しい。
ナイジェリア 0-0(PK5-4) ザンビア

エーヴル・ルノル監督

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