前回まで同様に引き続き、3月3日に行われた代表戦をリポートする。

まずは先日、アフリカネイションズカップで善戦したアルジェリアと、B代表で日本代表を蹂躙したセルビアの一戦。

ALGERIA
0
0-1
0-2
3
SERBIA

得点者
16'
54'
65'
パンテリッチ
クズマノヴィッチ
トシッチ

選手交代
64' ジェブール← ゲザル
72' アブドゥン ← ジアニ
83' ザウィ ← ラセン

選手交代
46' レキッチ ← パンテリッチ
46' クズマノヴィッチ ← スタンコヴィッチ
46' ドラグティノヴィッチ ← コラロフ
53' トシッチ ← ヨヴァノヴィッチ
64' ペトロヴィッチ ← ミリヤシュ
68' ヤンコヴィッチ ← イヴァノヴィッチ
68' ルカヴィナ ← クラシッチ
76' ジギッチ ← ニンコヴィッチ
82' ブルキッチ ← ストイコヴィッチ
87' カチャル ← スボティッチ
90' ラゾヴィッチ → ルコヴィッチ

序盤はアルジェリアペースで進行。欧州トップクラブの選手を抱えるセルビアに対し、ホームのアルジェリアが攻勢に出た。ショートパスを繋ぎながら、周囲は積極的なフォロー。日本代表の様に人もボールも動くサッカーを展開。対するセルビアは要所要所でしっかりと堅陣を築き、ボールを奪うとロングボールを展開するか、中盤までビルドアップして個人能力に託すアウェイのサッカーで耐える。

試合が動いたのは前半16分。自陣からのスローインで、コラロフがロングスロー。中盤を一気に省略してミリアシュが左サイドを突破。ゴール前へクロスを送り、パンテリッチが決めた。前に出たガウアウイは一歩及ばず。GKもDFも届かない絶妙な位置へのクロスであった。

先制されたアルジェリアであったが、変わらず攻勢を仕掛ける。マトムール、ゲザルを中心にセルビア守備陣を切り裂きにかかるが、序盤と比べると単独突破が増え、セルビア守備陣にとっては対人マークで対応できるため、楽な展開となった。

後半開始からセルビアは3選手を交代。キャプテンのスタンコヴィッチ、左サイドのコラロフ、得点を奪ったパンテリッチと主力を下げる事で、アンティッチ監督は2つめのチームをテスト。この采配が功を奏す。代わって入ったドラグティノヴィッチの突破で得たFKのこぼれ球をクズマノヴィッチが蹴り込んで追加点。追加点を奪えた事で、徐々に試合のイニシアチブを握る。そして、試合が決まったのは65分。左サイドに抜けたクズマノヴィッチからのクロスをトシッチが決めて3点目。

セルビアは90分を通して先発11人が全員交代。アルジェリアにとってはGKまで交代される屈辱のゲームとなった。しかし、試合結果よりも目を引いたのはセルビアの試合巧者っぷり。押され気味の展開の中でできる事をチーム全体が把握しており、着実に耐えてからミッションを遂行。旧ユーゴスラヴィア時代のテクニカルなチームからタクティカルなチームへと変貌を遂げたと言えよう。



















続いては、EUROとのダブルを狙うスペインと、様々な問題で揺れるフランス。優勝候補同士の親善試合は、明暗くっきりわかれる結果となった。

FRANCE
0
0-2
0-0
2
SPAIN
得点者
21'
45'
ビジャ
セルヒオ・ラモス

選手交代
65' ゴヴ ← アンリ
74' マルダ ←リベリ
77' シセ ← アネルカ

選手交代
46' アルビオル ← プジョル
46' F・トーレス ← ビジャ
46' シャビ ← セスク
64' セナ ← X・アロンソ
64' J・ナバス ← イニエスタ
80' グイサ ← シルバ

序盤は互角の展開。ホームのフランスが右サイドのリベリの突破からチャンスを作るなど積極的な仕掛けを見せれば、スペインは得意ポゼッションからチャンスを作り、前線のビジャへボールを供給していく。しかし試合は徐々にスペインペースへ。

21分、攻勢に出たフランスをスペインが中盤で防ぎ、ショートカウンターへ。イニエスタのパスを中央へ走り込んだシルバがスルー。抜けたボールを受けたビジャはロリスと1対1。冷静に蹴り込んでスペインが先制した。エスキュデとエヴラにとっては痛恨の連携ミスであり、エヴラのプレーは見過ごすことのできな怠慢なものであった。

前半ロスタイムには右サイドでオーバーラップしたセルヒモ・ラモスが追加点。フランスにとってはアンラッキーな部分もあったが、スペインの波状攻撃に、フランスDF陣は為す術もなく翻弄された。

前半で2点を奪ったスペインは、後半開始から3選手を替える余裕の采配。さらには途中で3人を追加で交代するなど、1試合で2つのチームを試す事に成功。対するフランスは前線でアネルカが孤立。ロングボールや強引なシュートのみで繋ぐこともままならず。スペインに幾度となくチャンスを作られ課題を露呈した。フランス守備陣かつて鋼鉄を誇ったとは思えない凡庸な出来に終始。本大会の優勝候補から一歩後退した感は否めない。

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