アルジェリア戦終了後、ウェイン・ルーニーはTVカメラに向かって、「自国のサポーターからブーイングを受けるというのは最高だね。こんなに忠実なサポートはないぜ」と皮肉交じりの暴言を吐いてピッチを去り、試合の翌日に記者会見に応じたジョン・テリーは「カペッロの起用法は間違っていた」と指揮官批判。完全崩壊したフランス代表を比較に出し、イングランド代表を“第2のフランス”と揶揄する声も上がってきている。

□諸悪の根源は?

最大の問題点ははたしてどこにあるのだろうか?もちろん、選手達自体のパフォーマンス不足を指摘せざるを得ないだろうが、それ以上に問題提起されているのがそのシステムだ。アルジェリア戦では、バリーが復帰したことにより、彼を中央に置いて、ジェラードを左に配置するという、欧州予選では定番であった4-4-2の布陣。だが、予選では難なく勝利を収めたものの、本番では違った。それぞれがそれぞれの思いのままに動き、連動性は皆無。元々独力で局面を打開できる選手が少なく、パスワークで崩していくしか攻撃方法をもたぬチームにとって、連動性の欠如は致命的だ。個人技に頼らざるを得ない攻撃では、選手達もゴールを遠くに感じたことだろう。

□カペッロの勘違い?選手の勘違い?

彼らは、ここにきて、これまで信奉してきたチームスタイルに不安を抱えているようだが、これは予期できたのではないだろうか?欧州予選でのライバル国であった、クロアチア、ウクライナはどちらもイングランドと似通ったスタイルのチームで、彼らと本気やり合えば、自力で勝るイングランドが勝って当然だ。だが、それを「自分達は強い」と勘違いしてしまったのかもしれない。そして、チャレンジャーという枠から突如として優勝候補へと担ぎ上げられたことによる慢心がそれを助長したのだろう。

□3節目のスタメンは?

現地の報道では、アルジェリア戦からいくつか変更されることが濃厚だ。まず、ヘスキーの代わりにジョー・コールが入り、ルーニーと2トップを結成。よりバイタルエリアでの攻撃力、決定力、チャンスメイク力を伸ばした組み合わせだ。ヘスキー自体は献身的な守備、安定したポストワークを見せていたが、ルーニーがゴール欠乏症に悩まされている中では、ヘスキーを起用し続けるよりはJ・コールを起用したほうが賢い選択だろう。デフォー+ルーニーという組み合わせもあるが、これはこれまでの歴史からいって、お互いの長所の消し合うセットと言える。また、累積警告で出場停止となったキャラガーの代わりはマシュー・アップソンになりそうだ。

だが、このマイナーチェンジだけで事態が好転すると信じることは難しいだろう。彼らに効く薬は勝利以外にないように思えるからだ。勝利、GL突破というステップを踏み、再び、ファビオ・カペッロの下で一致団結する。このプロセス以外に改善策はないだろう。

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