Adevarul紙などによると、ルーマニア1部リーグのリーガ1に所属するウニレア・ウルジチェニが事実上の破産状態となった。


2002-2003シーズンにリーガ3で優勝したウニレアは、2005-2006シーズンにリーガ2で2位となり、リーガ1へ昇格。1部昇格後、かつてルーマニア代表不動の右サイドバックとしてならしたダン・ペトレスクが監督として就任すると、2007-2008シーズンにカップ戦で準優勝してUEFAカップへ出場。2008-2009シーズンには遂にリーガ1で初優勝し、2009-2010シーズンはチャンピオンズリーグを戦った。

しかし、元々ウルジチェニは人口1万7000人程度の小さい街で、ホームのティネレトゥルイ・スタジアムも7000人の収容人数しかない。そのために欧州戦ではUEFAの規定を満たせず、ステアウア・ブカレストのスタジアム「ゲンチャ」を間借りしていたほどだ。

ニックネームはそのエンブレムから「チェルシー」。しかし、英国のそれがアブラモヴィッチ・オーナーに率いられプレミア屈指の強豪へ成長したのと対照的に、ウニレアの財政力はチームの成長に耐えられるだけの力がなかった。


2009-2010シーズン、ウニレアはリーグ、カップともに2位という上々の結果を残したものの、ペトレスク監督は補強策についてフロントと対立し、シーズン途中にロシアのクバン・クラスノダールへ“移籍”。今夏は財政難から主力7名をステアウアへ移籍させるなど金策に走るもむなしく、8月31日に選手全員が契約解除となった。

そこに助け舟をだしたのが、“スタジアムの貸し出し主”であったステアウア・ブカレスト。何とウニレアにステアウア・ブカレストIIのメンバー全員を移籍させ、ステアウアの2軍としてチームを再始動させると発表したのだ。名称もProsport紙によると「ステアウアIIウルジチェニ」になる予定だとか。

トップリーグに1軍と2軍が同居するのは前代未聞のこと(スペインなどではレギュレーションで禁止されている)。今週末は代表戦が行われるため試合はないが、リーグ再開までに各チームの反発が起こることは必至だ。さらにタイミングが悪いことに、次節は渦中のウニレアとステアウアの試合が組まれており、事態がどのように推移していくか、現状で予測することは難しい。

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