歴代アジア王者ツꀀVol.2ツꀀ- 2000年 日本代表 (アジアカップ2004 in レバノン)
squad
No. 名前(Name) 所属クラブ
GK 1 川口 能活 横浜F・M
20 高桑 大二朗 鹿島
21 下田 崇 広島
DF 3 松田 直樹 横浜F・M
4 森岡 隆三 清水
6 服部 年宏 磐田
22 中澤 佑二 東京V
26 海本 慶治 神戸
MF 8 望月 重良 京都
10 名波 浩 磐田
11 三浦 淳宏 横浜F・M
12 森島 寛晃 C大阪
14 中村 俊輔 横浜F・M
15 奥 大介 磐田
16 稲本 潤一 G大阪
24 明神 智和
30 小野 伸二 浦和
FW 9 西澤 明訓 エスパニョール
13 柳沢 敦 鹿島
19 久保 竜彦 広島
27 北嶋 秀朗
29 高原 直泰 磐田
formationjapan2000-asiancup-champion
result
VS スコア 得点者
GL第1戦 サウジアラビア ○4-1 柳沢、高原、
名波、小野
GL第2戦 ウズベキスタン ○8-1 森島、西澤×3、
高原×3、北嶋
GL第3戦 カタール △1-1 西澤
準々決勝 イラク ○4-1 名波×2、高原、
明神
準決勝 中国 ○3-2 OG、西澤、明神
決勝 サウジアラビア ○1-0 望月

レバノンで行われた2000年のアジアカップにおいて、日本代表はグループリーグを2勝1分で突破すると、準々決勝のイラク戦を4-1。準決勝の中国戦を3-2で競り勝ち、決勝でもサウジアラビア戦を1-0で退ける、まさに横綱相撲と呼ぶべき堂々たるパフォーマンスでアジア王者に輝いたが、この時代の代表は、日本サッカー史上における最高潮期であった見る有識者は多い。それはいくつもの要因から証明できるが、その強さの元となった代表的な特長を列挙しながら振り返ってみたい。

まず、真っ先に取り上げたいストロングポイントは、何よりもそのメンバーの充実ぶりである。この大会の一か月前に行われた「シドニー五輪」は、メダル確実という期待を見事に裏切り、ベスト8で敗退してしまったが、この大会に参加したメンバーは、何を隠そうユース年代で数々の成功を残した「ゴ―ルデンエイジ」。そして、このアジアカップに参加したメンバーの23名のうち、9人がこの五輪世代であった。さらに、そこに、彼らより上の世代である川口能活、名波浩、服部年宏ら実力者が合わさったのだから、強くて当たり前だ。イタリアのペルージャで主力として活躍していた中田英寿を招集することは出来なかったが、それでも不安感という名の空気は一切なかった。それほどまでに順風満帆な時代だったのである。

そして、次に取り上げたいのは、フィリップ・トルシエのもとで選手達がある一定の共通理解を持って戦えていたということである。フィリップ・トルシエは、1998年に行われたフランスW杯終了後の監督として1998年9月20に同職に就いたが、A代表と共にU-21代表を兼任。この判断が後の成功に大きく起因したことは周知の通りだ。1999年にはU-20代表監督も任されたが、FIFAワールドユース・ナイジェリア大会で準優勝。2000年のシドニー五輪では、前述の通り、ベスト8止まりに終わってしまったが、当世代の若き才能達は、確実にその能力を伸ばし、そして、トルシエの信奉する思想を理解した強き集団へと昇華していったのである。

トルシエのサッカーの代名詞と言えば、「フラット3」が思いつくだろうが、連動性と決断力を要するこの戦術は難解であり、導入当初は実際に選手達も苦戦した。しかし、就任から2年を経過して円熟の域に達しつつあった「フラット3」は、このアジアカップにおいて難敵達をことごとく苦しめた。無論、トルシエのやりたかったことは上記の戦法だけではない、そもそも、彼の考えていたチームは、単に3バックが生き物のように動くだけではなく、その動きにMFなど他のブロックも呼応した組織的なシステム形成にあり、また、どのポジションも攻撃の起点となる、「全周囲攻撃網」も特徴的であったことは忘れてはならない。また、同大会のハイライトの一つとして、中村俊輔のFKを名波浩が左足で叩き込んだものがあるが、トルシエはセットプレー対策にも注力し、このゴール以外にも巧妙な仕掛けでゴールネットを揺らしたという事実も補足的に記しておきたい。

二つの事柄に限定して、アジアカップ・レバノン大会における日本代表を振り返るというのは、余りにも暴論かもしれないが、今稿が少しでも当時の“強さ”、そして、“思い出”を振り返って頂くための材料になれば幸いである。

(筆:Qoly編集部 T)

歴代アジア王者 Vol.1 - 2004年 日本代表 (アジアカップ2004 in 中国)



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