2011年1月22日(土) - アル=サッド・スタジアム
1
0-0
0-0
ex.1-0
0
キューウェル
118'
得点者




オーストラリアが前回大会のチャンピオンであるイラクを破り、ベスト4へと進出した。試合の内容ではかなり苦戦したものの、延長戦の終了間際に決まった劇的なゴールで勝利を収めた。

キックオフ直後は完全にオーストラリアが優勢な展開だった。ロングボールを起点に相手を押しこんで、攻撃的にプレーすることが出来た。ところが数分も経たないうちに事態は一変。イラクが最終ラインを上げ、しっかりとした守備で前線を抑えに来たからだ。

今大会のオーストラリアが狙う攻めは「少ないタッチで足元に回し、それを囮に遠い味方のマークを空け、長いボールで崩す」こと。だがイラクは戦術を読んでおり、前方向に入れれば前と後ろを挟んで早い展開を止めに来る。後ろに戻すパスには深追いせずに布陣を維持し、ロングボールのターゲットを作らせてくれない。そして横に動かせばインターセプトを狙ってくる。非常に困難な展開だった。

前半終了近くになって「元々の狙っていた戦術は無理だから、どんどんゴール前に動き出して得点を狙おう」という意識が生まれたことで改善されたものの、中盤に決定的なパスが出せるタレントがいないために上手く攻めを機能させることが出来なかった。ラストパスがミスになったり、失敗でなくても外に開いたり、無駄にキープしたりとスムーズではなかった。終盤になってイラクの運動量が落ち中盤にスペースが生まれてからも、途中出場のマクドナルドの飛び出しを使い切れず、結局可能性の低いミドルシュートになってしまう。あまり決定機を作り出すことが出来なかった。

しかし、得点が取れないまま迎えた延長後半13分、オーストラリアは最後のチャンスを生かした。左サイドからマッケイがアーリークロスを入れると、疲労困憊だったはずのキューウェルがすかさず裏に飛び出してヘディング。見事にゴールに決め、土壇場で勝ち越すことに成功したのであった。

最後の最後でやられてしまったイラクも、プレビューで書いたとおり負けたとしても接戦を演じてくれた。前半に見せた守り方は見事であったと言える。運動量が落ちてからは中盤にスペースを作ってしまい守備は崩壊してしまったが、最後まで体を張って耐えしのぎ、反撃のチャンスにはしっかりゴールを狙っていた。彼らはここで大会を去る事となったが、果敢なプレーで実力以上の力を発揮したチームのひとつだったと言えるだろう。


(筆:Qoly編集部 K)




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