2011年1月25日(火) - ハリファ・スタジアム
0
0-2
0-4
6












得点者
5'
35'
65'
74'
82'
83'
キューウェル
オグネノヴスキ
カーニー
エマートン
ヴァレリ
クルーズ


オーストラリアが大量得点を奪ってウズベキスタンを一蹴。格の違いを見せて危なげ無く決勝戦進出を決めた。

以前のレポートでも書いたが、今回のオーストラリアが狙っている戦術は「近い味方とは少ないタッチ数で早く回し、それを囮に遠い味方にスペースを空けて、ミドルレンジのパスで崩す」というもの。要するに自分たちのレベルのショートパスだけでは固い守りを崩せないので、相手をがっつかせる「餌」にしようというものだ。ポジションチェンジを多く必要としないので、もしボールロストがあっても守備の準備がそれなりに出来ているのも利点だ。

しかし今回は「餌」を撒かずとも、ウズベキスタンが非常に攻撃的に出てきたため、オーストラリアは崩す手段を講じずとも勝手にスペースが与えられた。誰かがちょっとボールを持っていれば、すぐ他の誰かのマークが空く。できた守備の穴に繋げば、簡単に崩すことが可能だった。

試合開始から僅か5分、左サイドでボールを奪ってからの反撃で、マッケイからのスルーパスにキューウェルが飛び出し先制点を奪取。さらに35分にも、左サイドからのカーニーのフリーキックを、ファーでケイヒルが落とし、オグネノヴスキが左足でゴールに決めて追加点。リードを広げた。

後半はウズベキスタンの薄い守備を狙い、さらにゴールラッシュ。65分に交代出場のクルーズがカウンターから持ち上がって起点となり、マッケイのスルーパスからカーニーがゴール前に飛び出し、3点目を奪取。74分にもロングボールからクルーズが裏のスペースに飛び出し、右サイドからの折り返しをエマートンがゴールに決めて4点目。

82分には波状攻撃からルーズボールを拾って、上がった最終ラインの裏にマッケイが飛び出してクロスを入れ、ヴァレリがゴールに押しこんで5-0。さらにはその直後、クルーズがボランチからボールを奪ってゴール前に進出し、ジュラエフのキャッチミスを誘って6点目を決めた。

ウズベキスタンは明らかに戦術ミスであった。6-0というのは純粋に実力だけの差ではない。3日前にイラクが行った守備と比べれば違いは一目瞭然であるが、適当にラインを上げて裏にスペースを作り、簡単にポジションを崩してマークを外していた。自分たちのテクニックを過信したのか、もしくは序盤に奇襲をかけて逃げきるつもりだったのかは分からないが、オーストラリアがやりたいことを150%やらせてあげるような手段であった。今日のウズベキスタンは、まだ垂らしてもいない釣り針に海面を飛び出して自ら食いついていったようなものだ。


(筆:Qoly編集部 K)




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