現在、オランダのフェイエノールトにローンで加入している宮市亮。彼が、この冬に高校卒業と同時にアーセナルと5年契約を結び、労働許可証の問題からオランダでプレーする道を選択したことは周知の通りだ。
だが、センセーショナルな活躍の裏で意外と忘れられていることがある。それは、アーセナルを経由せずにオランダのエールディビジへ挑戦する可能性があったことだ。昨年8月のこと、宮市は夏休みを利用し、アヤックスの入団トライアルを受けるために渡欧。スフェヴェニンゲンとの練習試合に参加したのであったが、65分に緋骨を折る重傷を負い、無念の負傷交代。ピッチから引き上げると同時に「アヤックス移籍」はご破綻となったのである。その後、彼の才能を信じ続けていたアルセーヌ・ヴェンゲルの意向もあり、晴れてアーセナルの一員となったのであるが、もし、あの試合で骨折していなければ・・・、良くも悪くも彼の人生はまた違ったものになっていたのかもしれない。
※0:30秒辺りから、その時の練習試合の映像に。
先日、『Algemeen Dagblad』のインタビューに応じた宮市は、「アヤックスとアーセナルのどちらに入団するかについては考えたことはない」と語り、「ここ(フェイエノールト)の選手達は良くしてくれるし、チームの雰囲気も良い。僕はチームを救うためにここに来ているから、勝ち続けたいと思う」とアーセナルが修行の場に選択したフェイエノールトへ貢献することを誓ったが、アヤックスに対する“想い”がゼロかと問われればそれは嘘になるのではないだろうか。
※先発デビューを飾ったフィテッセ戦の映像
今季のフェイエノールトとアヤックスとの対戦カードは、既に宮市がオランダに来る前に消化されており、「宮市対アヤックス」が実現することはなさそうだが、このままローン期間を延長する可能性があるのであれば、是非ともアヤックス相手に宮市が躍動するところを見てみたいものだ。“彼ら”の判断が間違っていたことを証明する意味でも。
(筆:Qoly編集部 T)
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