主審が選手に近づき、その頭上にカードを掲げた刹那、スタジアムは一喜一憂する。
一人の男が下したファールに対する判断、そして、それが警告か退場であるかは、試合を彩る一種のイベントと言えるだろう。
だが、このイベントを風変りな形で盛り上げた主審が表れた。イングランドの審判ピーター・ウォルトンである。ウォルトンは、バーミンガムとエヴァートンの試合を任されたが、なんと「透明カード」を用いたのだ。といっても、実はドレッシングルームにカードセットを忘れてしまったというのが要因。いずれにせよ、思わぬ形で審判界の珍プレーとしてその名を残した。
無論、イエローカードやレッドカートを提示する際には「警告」、「退場」と言葉でも選手に伝えるため、混乱が起こる可能性は低く、この試合は平穏無事に進行したが、すぐにその判定を理解することが出来ない、スタジアムに観戦に訪れたサポーターは「ドキドキ3割増し」で対戦を楽しめたのではないだろうか。
(筆:Qoly編集部 T)