【コラム】サッカー界の聖パトリックを探せ！！ vol.1

東北地方太平洋沖地震が発生してから今日で一週間が経ちました。いつもより長く感じた一週間でしたが、多くの犠牲者とそのご遺族の皆様に対し、改めて深くお悔やみを申し上げます。

さて、昨日17日は、「聖パトリックの祝日」でした。この日は、聖人“聖パトリック”の命日であり、関係の深いアイルランドでは祝祭日にあたるのですが、約5日間に及ぶ感謝祭などが開催されたりします。その詳細につきましては（wikipedia）を参考に頂くとして・・・、ちょうどその日にとある海外のWebサイトで「サッカー界の聖パトリックを探せ！！」という面白企画があったので、現役、引退選手の中から様々なパトリックを選出し、二度に分けてご紹介したいと思います。

■パット・ジェニングス（Pat Jennings）

本名はPatrick Anthony Jennings。言わずと知れた、70年代、80年代の欧州サッカー界を代表する名GK。トッテナムからアーセナルに移籍した後に一時代を築き、さらに晩年には古巣であるトッテナムに戻るという暴挙（？）をしでかしましたが、ガナーズ・サポーターはそれを拍手で送り出したそうな・・・。これは彼の人柄とチームにもたらした功績の大きさを物語るエピソードの一つと言えるでしょう。1986年に引退後はGKコーチとして活躍しています。

今見てもそのセービング技術は圧巻・・・。

■パトリック・ベルゲル（Patrik Berger）

日本では「ベルガー」という名前で親しまれていますが、あえて現地語読みでご紹介。シュートレンジを問わない左足のキャノン砲を武器にドルトムント、リヴァプールなどで活躍したその姿は記憶に新しいところ。チェコ代表では、1996年に行われたEUROではチームの主力として大車輪の働きを見せ、準優勝に大きく貢献しましたが、パヴェル・ネドヴェドとの不仲やタイミングの悪い怪我もあり、その大会以外では持ち味を発揮することが出来なかったことが残念な限り。2010年1月に、ユース時代を過ごしたスパルタ・プラハで現役引退を発表。

レッズ時代には「バーガーキング」、「キング・オブ・コップ」とも呼ばれていました。

■パット・ネヴィン（Pat Nevin）

元スコットランド代表の小柄なウィングで、本名はPatrick Kevin Francis Michael Nevin。スコットランド出身ということもあり、日本ではあまり有名ではないかもしれませんが、チェルシー、エヴァートンで名声を博したこともあり、プレミアリーグのファンの方であれば一度は聞いたことのある名前だと思います。2000年に現役引退を発表後、マザウェルのチーフ・エグゼクティブなどを務めましたが、現在はBBCのTVやラジオの解説者を生業としています。

チェルシーでは毎週コラムも書いており、ライターとしての一面も。

■パトリック・クライフェルト（Patrick Kluivert）

ある時はクライファートと呼ばれたり、またある時はクライヴェルトと呼ばれたりと、彼を取り上げるメディアによって表記がコロコロと変わる忙しい選手としても思い出深い名選手。アヤックス・ユースからトップチームに昇格後は優雅なボールタッチと卓越したシュートセンスで「黒いファン・バステン」と謳われ、「ヤング・アヤックス」を牽引。1994-1995シーズンのCLでは決勝戦でゴールを上げ、欧州制覇に貢献しました。その後、ミランを経て、バルセロナに加入。ファン・ハールの下でさらに才能を開花させ、リーグタイトルなどを獲得し、代表レベルではEURO2000で得点王にも輝きました。しかし、そこからはキャリアは下降線に。ニューカッスル、バレンシア、PSVと渡り歩きますが、かつてのようなプレーを取り戻すことはできず、2008年にリールを退団すると同時に現役引退を決断しました。2010-2011からはオランダのNECでアシスタントコーチに就任。指導者としての第二の人生を歩みつつあります。

問題行動は数多ありましたが、全盛期はまさしく一流フットボーラー。

■パーキー・ボナー（Packie Bonner）

“セルティックの魂”であり、クラブ史上に残る名フットボーラーの一人。18歳の時にセルティックの一員になって以来、約20年間を“ザ・フープス”に身を捧げ、（クラブ歴代5位となる出場記録である）通算642試合に出場。また、代表ではアイルランド代表として1981年にデビュー後、1988EUROや2度のW杯に参加。アラン・ケリーにその座を脅かされるまで正守護神として君臨し続けました。1998年に第一線を退いてからは、代表のGKコーチやアイルランドサッカー協会のテクニカル・ディレクターを歴任しています。

W杯イタリア大会ラウンド16では、ルーマニアのティモフテのPKをストップさせて時の人に・・・。