先頃、ロシア・プレミアリーグに加入したロベルト・カルロスについての話題をお送りしたばかりだが、このところブラジル人に対するネガティブな出来事が起こっている。


19日のゼニト対アンジ戦前にロベルト・カルロスにバナナを差し出したゼニトファンの姿がキャッチされ、当地でこの事件は大きく取り扱われた。

これに対しゼニトのGMマキシム・ ミトロファノフ氏は当ファンへの試合チケット販売を禁止し、スタジアムに近づけなくしたと語り、クラブとしてもこの行為を非難するとともに、国や警察と密接に連携し人種差別の根絶に向けた活動を強化することを誓った。また、リーグからもこのファンに対しゼニトのホームスタジアム ペトロフスキへの入場禁止処分が下されるようだ。

この件についてロベルト・カルロスは傷ついてはいないと語ったが・・・。


ロシアでは昨年にもロコモティフ・モスクワのナイジェリア人FWピーター・オデムウィンギーがイングランドへ移籍した際、一部のサポーターがバナナの絵と"Thanks West Brom"と書かれた旗を掲げたことがあった。

ワールドカップ招致委員会会長を務めたアレクセイ・ソロキンはこのバナナは”テストに落第した”ことを表していて、差別的なものではないとしたが、ロシアの過激組織の専門家は単に人種差別を認めたくないだけの言い訳と断罪し、実際オデムウィンギーはたびたび差別的な扱いをサポーターから受けたことを認めている。


7年後にワールドカップ開催が控えているロシアだけでなく同じような出来事がイギリスでも起きた。27日にロンドンで行われたブラジル対スコットランド戦でプレー中のネイマールに対してバナナが投げつけられ、この行為に対し

「起きたことは残念だけど、こういう行為を助長させないためにも多く語りたくない」

とネイマールはコメントしている。


フットボールの世界が綺麗事だけで語れないことは重々承知しているつもりだが、このような行為を見聞きするたびに怒り以上に虚しさがこみ上げてくる。残念でならないし、同じフットボールファンだとは思いたくもない。

(筆:Qoly編集部 I)

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