世界広しといえど、チームマスコットにおっさんを起用するクラブはそうそうないだろう。

今年からMLSに新規参入を果たしたポートランド・ティンバーズのマスコットキャラクターを務めるのは唸りを上げたチェーンソーを手にしたおっさんだ。その名は”Timber Joey”。

このTimber Joey、チームがゴールをあげる度ピッチ脇で巨木をチェーンソーでスライス。さらに、スライスした木片は得点者にプレゼントされるという・・・。

これだけ聞くと一体なんのこっちゃわからないが、クラブロゴを見ればその由来が分かりそうだ。

まず、シンボルともいえる斧はポートランドがあるオレゴン州を含めた太平洋岸北西部の主要産業である伐採を支えてきた木こりの象徴として、そしてクラブカラーのモスグリーンは緑豊かなオレゴンの森からインスプレーションを得たもの。つまり、ティンバーズは郷土愛に溢れたチームであり、地元の象徴ともいえる木こり・斧に対する敬意の表れがおっさんマスコットの成り立ちといえそうだ。

また、Timber Joeyの前任者であるTimber Jim(=Serrill)は1970年代から31年間マスコットを務めた地元で愛される存在。Serrillさんの娘で孫娘Keianaちゃんの母親でもあるHannahさんが交通事故で亡くなった際には、クラブのサポーターがスカーフを作成販売。その売り上げをKeianaちゃんの教育費として寄付したという。


"Timber Jim" Serrillさんと孫娘のKeianaちゃん

なるほど可愛げには欠けるが、地元愛に溢れ、さらに相手を威圧するにはもってこいのマスコットといったところか。

(筆:Qoly編集部 I)

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