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2011年9月3日(土) - アントニオ・コインブラ・ダ・モタ(エストリウ)
Estoril
1
1-0
0-0
0
Portimonense
ジョアン・コインブラ
36'
得点者




開幕から1分1敗と調子に乗れずにいたエストリウが、1部からの降格組ポルティモネンセを破って今季初勝利。内容では決して押したとは言えないが、戦略と応用が生きた頭脳戦の勝利であった。

エストリウは「相手の前線をいかに消すか」をテーマに望んでいた。最初は果敢に高い位置からプレッシャーをかけ、後方からのパスを寸断。中盤を支配し、ラインを上げ、ゴール前から遠ざけた。そしてファブリシオが下がってCBを引き出し、リカとジョアン・コインブラが裏に飛び出してゴールを狙うシステム。

しかしシミの高さと強さ、トラオレ、ラファのドリブルは強烈。時折ロングボールがシミに当たったり、トラオレがキープできたりすると、すぐにリカルド・ペッソアが上がってきて正確なクロスを入れてくる。15分、17分とシミのヘディングを食らった辺りから徐々に最終ラインの位置が下がってきた。

守備面より、むしろ人数がかからなくなった攻撃面にダメージが大きかった。前線が孤立し、ファブリシオは下がっても誰も連動してくれない。時折出てくるボールをリカが必死に追っても一人では厳しかった。こうして最初のプランは崩れた。

しかし、シフトチェンジも速かった。25分辺りから徐々に後方での時間をかけたポゼッションが増加。「むやみに前に急がず、ボールを繋いで、時間が掛かってもいいからまず押し上がって人数を前にかけよう」というセカンド・プランに移行したのである。

これが大成功。36分、アンカーのゴンサーロがバイタルエリアに持ち上がったことでエリエジオの飛び出しを誘い、すかさず生まれたスペースにスルーパス。ジョアン・コインブラが隙を見逃さず飛び出し、見事に狙い通りの先制点を奪取した。

後半は我慢の時間が続いた。先制したことにより徐々に前に押し上がる力が弱くなり、ポルティモネンセのパワフルな前線に押し込まれてしまった。ダンタスをCHに、ファブリシオを右に、カルロス・エドゥアルドをトップにチェンジする策も決定的な効果は現さなかった。

しかし57分、61分と至近距離からのヘディングシュートをヴァグネルがスーパーセーブで防ぐと、その直後に訪れたトラオレのフリーでの決定的なシュートも枠を外れた。幸運にも恵まれて苦しい時間帯を耐えきると、終盤は逆に楽な展開に。運動量の減少からか、ポルティモネンセは67分にシミをベンチに下げ、トラオレをトップに移した。

エストリウにとっては非常に楽になった。リカルド・ペッソアやリカルド・ヌニェスからの正確なクロスに手を焼いていたが、これで相手から高さという武器が消えた。逆にエストリルが投入したドリブラー、アジウソン(昨年はオリャネンセで活躍した)は一人で2、3人を引きつける高い能力を見せて試合の流れを引き寄せた。そして最後にはむしろチャンスを作り出し、時間を潰して試合終了に持ち込むことに成功した。

ここまで2試合で無得点と不調なスタートであったが、ようやく第3節で初得点、初勝利と嬉しい結果に。今季は意欲的な補強を行い、アジウソン、ブルーノ・フォガサ、アレックス・オウ、ディオゴ・アマドなど1部で実績がある選手を獲得。昇格を狙える戦力はある。かつてフルミネンセでカルロス・アルベルト・パヘイラの片腕として働いたヴィニシウス・エウトロピウス監督も2年目でチームを掌握できているようだ。2部をかき回す存在になれるだろうか?


(筆:Qoly編集部 K)

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